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「ファッションで」エアガン所持して警官30人出動、規制はどうなっている?

6/26(水) 9:52配信

弁護士ドットコム

飲食店で拳銃のようなものを持った男性がいると通報があり、防弾盾や防弾チョッキを装備した警察官約30人が出動するトラブルが6月21日、神戸市の飲食店でありました。

神戸新聞によると、現場周辺は騒然となりましたが、男性が所持していたのはエアガンで、腰に着けたポーチの中に入れていたそうです。男性は「ファッションで持っていた」と話しています。

この報道を受けて、ネットでは、「どこがいけないんだ」、「エアガンを禁止しろ」など、様々な意見が出ました。

エアガン規制は現在、どうなっているのでしょうか。エアガンに関する法規制は、主なものとして、銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)、軽犯罪法、青少年保護育成条例が考えられます。それぞれ見ていきましょう。(ライター・オダサダオ)

●銃刀法:よど号ハイジャック事件がきっかけ

まず銃刀法から考えてみましょう。そもそも、エアガンはなぜ規制されているのでしょうか。エアガン規制のきっかけは、よど号ハイジャック事件でした。よど号ハイジャック事件は、1970(昭和45)年3月31日に共産主義者同盟赤軍派が、日本航空の「よど号」をハイジャックし、犯人グループは朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への亡命を希望したというものです。

この事件で、犯人グループが模造銃や模造刀を使ったことに加え、模造銃を使用した強盗事件が発生していたこともあり、翌年銃刀法の改正が行われ、模造銃が規制の対象となりました。この時規制されたのは、金属製の拳銃型であり、プラスチック製のものは規制の対象外でした。

1977(昭和52)年に再度の改正が行われ、金属製のエアガンの所持は禁止されました。

これは、暴力団などが金属製のエアガンを改造し、改造銃として使用することが問題視されたためです。金属製のエアガンの場合、改造しただけで、通常の銃と変らない殺傷力を持ってしまいます。今でも、金属をエアガンに使うことは違法改造となり、禁止されています。

こうして、エアガンは、プラスチック製のものが主流になっていきます。しかしプラスチックのエアガンでも、威力が増していけば十分な殺傷能力を持っています。2004年には改造部品の販売と改造方法を教えたことで、静岡県のエアガンショップ経営者ら3人が銃刀法違反(所持のほう助)などの疑いで、逮捕されました。

プラスチックのエアガンで、動物を撃ったり、窓を割ったりといった器物損壊事件が相次ぐようになると、プラスチックのエアガンも規制されるようになりました。2007(平成19)年に改正された銃刀法では、威力を上げたエアガンを準空気銃とし、その所持を禁止しています。銃砲刀剣類所持等取締法施行規則の一部を改正する内閣府令では、準空気銃となるエアガンの値を0.98J以上と定めています。

●軽犯罪法:猫にエアガンを発射した男性が書類送検されたことも

銃刀法上、プラスチックのエアガンの所持は認められています。しかし、軽犯罪法第1条第2号では、「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」を拘留、科料(罰金刑)に処することが出来るとしています。状況次第ではありますが、注意が必要です。

携帯していただけでなく、発射した事例ですが、2018年10月には、猫にエアガンを発射した男性が、軽犯罪法違反(第1条第11項の危険物投注)の疑いで書類送検されたことが報じられました。

●青少年育成条例:東京の場合、青少年への販売を禁止

さらに、各都道府県の青少年育成条例もあります。この条例は、青少年の健全な育成を妨げるもの(不健全なもの)について規制するというものです。ちなみに東京都では、2005年にエアガンは不健全玩具に指定されました。この条例では、威力によって所持しても良いものと悪いものを分けています。0.135J以下のものについては、10歳以上であれば所持しても良いとしています。

この条例は、都道府県によって規定が異なっています。東京都の場合、第13条第1項でエアガンなどの指定がんぐ類の青少年への販売を禁止し、第2項で青少年が所持しないよう努めなくてはならないという規定になっています。そして、第26条の1では、販売したものに30万円の罰金を科すことが定められています。

これまで説明してきた通り、エアガンは、様々な法律によって規制されています。特に問題となるのが、殺傷能力を持つかどうかです。そのため、金属製のものはどんなものであれ、規制の対象になります。また、プラスチックのものであっても、人や物を傷つけるような威力の強いものは所持出来ません。

エアガンは玩具ではありますが、人を傷つけることのできる玩具です。玩具としてではなく、人や物を傷つける目的で使う人が出てくることで、その規制が強化されてきたと言えるでしょう。

弁護士ドットコムニュース編集部

最終更新:6/26(水) 9:52
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