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スマホ使い過ぎで肩こり―その状態は「クロスシンドローム」!正しい姿勢で解消を

6/26(水) 12:10配信

Medical Note

気づいたら猫背になっている――。

スマホやパソコンの使用などで下を向く機会が増え、ついつい姿勢が悪くなっていることはありませんか。悪い姿勢は、肩こりや頭痛、腰痛などの原因となることが知られています。さらに首や背中の骨などで、重症化する可能性のある病気の発症につながることもあります。これらの病気を防ぐためには、悪い姿勢を正し、良い姿勢を保つことが大切になります。効果的な方法はあるのでしょうか。キーワードは「クロスシンドローム」です。【北里大学大学院整形外科学教授・高平尚伸/メディカルノートNEWS & JOURNAL】

◇長年の肩こりをあるトレーニングで解消した患者さん

慢性的な肩こりに悩む50代の男性が私のところにいらっしゃいました。その患者さんは猫背で背中の筋肉がガチガチ。さまざまな病院を転々とされ、薬や湿布による治療を受けても一向に改善されず、私を訪ねていらっしゃったのです。

その方におすすめしたのは、筋肉の状態に合った、姿勢をよくするトレーニングです。患者さんはトレーニングを開始して1週間程度で悪い姿勢が改善されるようになり、ついには長年悩まされていた慢性的な肩こりが解消されました。

中には、即時効果としてトレーニング直後から改善される方もいますが、続けないとすぐに戻ってしまいます。

◇悪い姿勢は何が問題?

そもそも姿勢が悪いと、何が問題なのでしょうか。悪い姿勢を続けることは、ご紹介した患者さんのような慢性的な肩こりの他にも、頭痛や腰痛の原因となることが知られています。また、骨や筋肉に影響を与えることで、変形性股関節症や変形性脊椎症、椎間板ヘルニアなどの病気の発症につながることもあります。さらに、悪い姿勢は内臓に影響を与えるという報告もあり、たとえば、前かがみの作業を続けることで逆流性食道炎になりやすくなるといわれています。長期間にわたって悪い姿勢を続けると、このような健康被害や重症化する可能性のある病気につながることがあるのです。

◇「クロスシンドローム」とは?

良い姿勢を保つことは、さまざまな病気の予防にもつながります。そのためのキーワードが前述のクロスシンドロームです。これは、悪い姿勢が続くことで本来は同じような状態であるはずの筋肉が、「緊張し、こり固まりやすい筋肉」と「弱って、緩みやすい筋肉」に分類されるという概念です。チェコのリハビリテーション医であるVladimir Janda(ウラジミール・ヤンダ)氏によって提唱されました。こり固まりやすい筋肉と、緩みやすい筋肉を線で結ぶと、ちょうどその線が交差するために、このように名付けられたのです。クロスシンドロームは筋力のアンバランスな状態を指し、良い姿勢を保つことが困難になります。

クロスシンドロームは、上半身にも下半身にも起こります。例えば、上半身では下を向く姿勢が続くことで、首や肩の後ろ側の筋肉である上部僧帽筋(じょうぶそうぼうきん)や肩甲挙筋(けんこうきょきん)がこり固まりやすくなります。一方、首の前の深部頸椎屈筋群(しんぶけいついくっきんぐん)は緩みやすくなります。

下半身では、おなかにある腹筋群やお尻の筋肉である大殿筋(でんきん)や中殿筋、小殿筋が緩みやすくなります。逆に、腰にある脊柱起立筋はこり固まりやすくなります。また、座ったままの姿勢が続くことで、太ももの付け根の股関節の前にある腸腰筋や、太ももの後ろの筋肉であるハムストリングスがこり固まりやすくなります。

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最終更新:7/8(月) 9:58
Medical Note

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