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伊調vs川井にみる女子レスリング界の健全な新陳代謝

6/26(水) 7:03配信

VICTORY

1対1で対戦する格闘技は往々にして独特の緊迫感に包まれるが、ここまでの見応えのある闘いは最近では珍しい。レスリング女子57キロ級。35歳の伊調馨(ALSOK)と24歳の川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)による世界選手権(9月・カザフスタン)代表の座を懸けた激闘である。世界選手権は東京五輪予選を兼ねるだけにいつも以上に熱を帯びている。2人の五輪女王による争いは高いレベルでの切磋琢磨であり、スポーツの発展や活性化に不可欠な「健全な新陳代謝」の要素もちりばめられている。

ドラマチック

両者の背景が関心の度合いを高めている。2016年リオデジャネイロ五輪で4大会連続の金メダルを獲得した伊調は国民栄誉賞を授与された。そんな絶対的なトップ選手が、昨年表沙汰になったレスリング界のパワハラ問題で被害者となり、マット外で社会的に注目の的となった。難しい時間を過ごした末に問題を乗り越え、昨年10月にリオ五輪以来、約2年2カ月ぶりに試合に復帰した。

一方の川井はリオ五輪63キロ級の金メダリスト。妹で62キロ級の友香子(至学館大)と姉妹そろっての東京五輪出場を目指し、階級を落として57キロ級に転向した。その理由を「妹の方がまだ若くて伸び盛りなので、減量しなくていいように」と説明。現実的かつ妹思いの一面も漂うような決断で、伊調と同じ階級を選んだ。

世界選手権代表選考が本格化した昨年12月の全日本選手権は、1次リーグで川井が競り勝ち、再び顔を合わせた決勝では残り10秒で伊調が劇的に逆転した。次に6月中旬の全日本選抜選手権。ここで伊調が勝てば世界選手権代表に決まっていたところで、今度は川井が決勝で伊調を破って踏みとどまり、代表決定は7月6日のプレーオフに持ち越された。世代間の意地のぶつかり合いは、観客の目をくぎ付けにする好勝負でドラマチックな展開。11歳年上の伊調は「これを望んで戻ってきた」と殊勝なコメントも残した。

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最終更新:6/26(水) 7:03
VICTORY

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