ここから本文です

事件現場を分析 専門家「警察官と銃撃戦が目的か」/富山

6/26(水) 21:24配信

チューリップテレビ

 事件から26日で1年たちますが、白昼堂々の凶悪犯行に至った動機の解明は進んでいません。
 その後も交番や駐在所が襲われ、拳銃が奪われる事件が、全国で相次ぐ中一連の事件の引き金になったとも言える奥田交番襲撃事件を、犯罪者の心理に詳しい専門家に分析してもらいました。

 「警官との銃撃戦ということが犯行の目的。銃撃戦で射殺されることを想定した犯行であると」(影山教授)

 富山市の奥田交番襲撃事件の現場でこう語ったのは、佐賀バスジャック事件などで現場を検証した犯罪精神病理学の権威・影山任佐(かげやま・じんすけ)さんです。
 この事件で、強盗殺人や殺人などの罪で逮捕・起訴されたのは、立山町末三賀の元自衛官島津慧大被告(22)。
 捜査関係者によりますと、島津被告は、「警察官と戦いたかった」「拳銃を奪う目的で警察官を襲った」という趣旨の供述をしているということです。

 「犯行現場にわざわざ戻ってきて警察官のいる場所を求めて戻ってきているという風に見えること。それが犯行のはっきりした一番の特徴」(影山教授)

 影山さんは、島津被告は、自らの妄想を実現するため、あえて人気の多い街中の交番を狙ったのではないかと指摘しています。
 「本人自身のゆがんだヒーロー像をそれを体現するということですので、舞台としては富山の繁華街。その後の展開を考えると彼のファンタジーのイメージを飾り立てるような舞台装置にならない。田舎での銃撃戦では」(影山教授)

 島津被告が狙ったのは、富山市の住宅密集地にある交番。
 両手に刃物をもって稲泉健一警視に襲いかかり死亡させ拳銃を奪いました。
 そして、島津被告は、拳銃と刃物を持ったまま住宅街へ逃げ込みました。

 「全く民家とか住民には目をくれない形だと思うんですよね。ですからやっぱりり警察官との銃撃という目標に向かって警察官の姿を求めてきてるんじゃないかと思う」(影山教授)

 島津被告は、拳銃を奪ったあとも、現場周辺を立ち去ることなく、住宅街に15分ほど身を潜めていました。

 「島津容疑者は住宅と住宅の間、このあたりにもたれかかるように座っていたと見られます。それがその際にもたれかかってた血と見られます」(記者)

 「その辺の心理は犯行動機と関連するんですけど犯行後、心を落ち着かせて、警察が出てくるのを待ってたと、その間に本人自身は心の準備というかもう一度決断を固める作業をしていたんじゃないか」(影山教授)

 「こうした住宅街を抜けて、こちら見えてきたのが、小学校の正門です。島津容疑者はまさにここで引き金を引きました」(記者)

 島津被告は、奥田小学校敷地内にいた警備員にむけて2発発砲。
 さらに、正門付近にいた警備員の中村信一さんに対し、至近距離から発砲し殺害しました。
 島津被告は、「警備員は警察官と見間違えて射殺した」と供述しているということです。

 事件の背景には何があったのか?影山さんとともに島津被告が育った自宅近くに向かいました。
 島津被告の幼少期を知る人によりますと、小さい頃は引きこもりぎみで、家庭内では、父親から暴力による厳しいしつけを受けていたということです。
 しかし、次第に力関係は逆転し、島津被告が家族に暴力を振るうようになっていったといいます。

 「家族からも誤解され暴力的な関係でしつけをされてたとなると本人自身をしっかりと受け止めるような愛情をかける人間関係っていうのが築き得なかったと思うんですよね」(影山教授)
 影山さんは、この事件を、自身の存在や力を誇示するための「自己確認型」の殺人事件だと分析しています。

 「今回の事件が印象深い衝撃的な事件だった。やはり今後模倣するような犯罪が出てくる可能性を危惧している」(影山教授)

 事件から1年。
 事件現場となった交番は取り壊され今は更地となっています。
 来年1月にも来訪者と警察官がいる事務室は防犯ガラスとカウンターで仕切り、スライド式の窓で対応できるようにするなどモデル交番に建て替えられる予定です。
 一方、全国各地で相次ぐ交番や駐在所が狙われる事件をうけ、警察庁は安全対策を強化。
 本人以外の角度から拳銃が取り外せないように改良した新型の拳銃いれを導入しました。

 「警察官の装備や交番の安全対策が進むさなか、こちらの大阪府吹田市の交番が襲撃されました」(記者)

 大阪府吹田市の千里山交番では今月16日、男性警察官が包丁で複数か所を刺され、またしても所持していた拳銃を奪われる事件が発生しました。

 「はじめて。こんないいところで」(住民)
 「子育て世代やファミリー層住んでいて治安がいい。だから今回の事件びっくりしました」(住民)

 あの日、奥田小学校の前にいて奪われた拳銃で犠牲となった男性警備員中村信一さん。
 中村さんの妻は、事件から1年を迎えるにあたりつらい胸の内をカメラの前で語ってくれました。

 「長いトンネルの中」(中村さんの妻)

 なぜ、夫が犠牲にならなればならなかったのかどうして防ぐことができなかったのか疑問は残ったままです。
 あの日以降も全国であとを絶たない交番襲撃事件。
 中村さんの妻は警察官の拳銃で住民の命が奪われることは絶対にあってはならないと訴えます。

 「警察官自身の安全、犯罪の抑止、住民の命と安全な生活を守るために携帯している拳銃でによって、犠牲者が出るようなことは絶対にあってはならない」(中村さんの妻)

チューリップテレビ

最終更新:6/26(水) 21:24
チューリップテレビ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事