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足の痛み訴えた県警機動隊員、プールで沈められ溺死 県に9200万円の賠償命令 母「残念で悔しい」

6/27(木) 8:05配信

埼玉新聞

 埼玉県朝霞市の県警機動隊屋外プールで2012年、水難救助部隊の巡査佐々木俊一さん=当時(26)=が訓練中に溺死したのは私的制裁による暴行が原因として、遺族が県(県警)と当時の上司5人に計約1億9千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、さいたま地裁であった。谷口豊裁判長は県に計約9200万円の支払いを命じた一方、上司ら5人に対しては「訓練と無関係の私的制裁と断定することは困難」として請求を退けた。

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 判決理由で谷口裁判長は、当時指導員だった男性巡査(35)=業務上過失致死罪で有罪判決=が佐々木さんをプールに沈めたことについて「傷害の故意を伴うもので、注意義務違反の結果、佐々木さんが死亡したことは明白で違法」と認定した。

 原告側の私的制裁との主張に対しては「プールのはしごをつかむなどの禁止行為をした者に対して水没行為を行うことがあり、明確に禁止されていなかった」と指摘。他の参加者にも同様に行っているとして、組織的な私的制裁をしたとは言えないと述べた。

 一方、指導員が訓練員を沈める行為に疑問を呈する専門家がいたにもかかわらず、明確な規律を設けていなかったことなどが事故の背景にあると指摘した。

 判決によると、佐々木さんは12年6月29日、空気ボンベなど計38キロの装備を着けて訓練に参加。足の痛みを訴えて中止を求め、プールのはしごをつかんだところ、水深約3メートルのプール中央まで移動させられ、指導員に息継ぎなしで繰り返し水中に沈められたことにより溺死した。

 指導員だった巡査は業務上過失致死罪に問われ、同地裁で禁錮1年6月、執行猶予3年の判決が確定し失職した。

 佐々木さんの母千春さん(62)は判決後、さいたま市内で記者会見し、「個人の責任があるのではないかと思って裁判を起こしたが、認められず残念で悔しい」と話した。

 県警は「判決内容を十分に検討し、適切に対応したい」とのコメントを出した。

最終更新:6/27(木) 9:25
埼玉新聞

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