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ホンダ浅木泰昭PU開発責任者インタビュー(1):総力を挙げて技術開発を推進するホンダF1。苦しんだ共振問題を一発で解決した施策

6/27(木) 18:02配信

オートスポーツweb

 ホンダは第8戦フランスGPに3人のドライバーに『スペック3』のパワーユニット(PU/エンジン)を投入したのに続いて、第9戦オーストリアGPでは、アレクサンダー・アルボン(トロロッソ)にも投入することを発表した。これでホンダがパワーユニットを供給する4人全員にスペック3が投入されることになる。

2019年F1第8戦フランスGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は4位入賞

 このスペック3はHRD Sakura(栃木県の本田技術研究所)だけでなく、埼玉県和光市の航空機エンジンR&Dセンターにある航空エンジン研究開発部門が有する知見と技術が入っている。

 F1第8戦フランスGPには、2018年の1月からHRD Sakuraのセンター長としてF1のパワーユニットの開発を率いている浅木泰昭氏が訪れていた。その浅木センター長に航空エンジン研究開発部門との協力関係について聞いた。


――どのような経緯でHRD Sakuraがほかの部署と一緒に仕事することになったのでしょうか?

浅木泰昭センター長(以下、浅木センター長):私が2017年の夏にHRD Sakuraに赴任したときに、すでに本田技術研究所の松本宣之社長(2019年6月開催予定の定時株主総会後に退任予定)を中心に、「これからのF1は、HRD Sakuraの数百人のメンバーだけでなく、ホンダのすべての研究所から、必要な人材と知見を持ち寄って戦おう」ということで意思の統一なされていました。私や田辺豊治(F1テクニカルディレクター)がHRD Sakuraに来たのも、その一環だったと思います。

――その中で、航空エンジン研究開発部門を選んだのはなぜでしょう?
浅木センター長:なぜかというと、当時われわれはMGU-H(Motor Generator Unit-Heat:エンジンの熱を電気エネルギーに変換し、エンジンパワーにするもの)の信頼性に苦しんでおり、航空エンジン研究開発部門が技術的に近い知見を持っていたからです。

 航空エンジン研究開発部門は埼玉県和光市にあるのですが、正直に現状を報告し、助けてもらうことにしました。ジェットエンジンにもターボがあり、シャフト、軸受があり、技術的に非常に近いからです。

■2017年から苦しんだ共振問題を一発で解決

――以前のホンダ製パワーユニットはコンパクトにするために、ターボがVバンク角のなかにありましたが、2017年からはそれを外に出して、さらにコンプレッサーとタービンを分離したために軸が長くなった時期ですね。
浅木センター長:その長くなったシャフトが10万回転で回るために共振に苦しんでいました。そこで2018年の1月に、センター長としてF1のパワーユニットの開発を率いるようになってから、航空エンジン研究開発部門に説明して、試作物を作ってもらったら、一発で解決しました。

 なんとか、2018年の開幕戦に間に合わせたかったんですが、間に合わず2戦目のバーレーンGPから投入しました。(開幕戦でピエール・ガスリーのMGU-Hにトラブルが発生してリタイアしたが、そのMGU-Hは航空エンジン研究開発部門の知見が入っていない既存のものだった)

※ホンダ浅木泰昭PU開発責任者インタビューその2に続く


[オートスポーツweb ]

最終更新:6/27(木) 19:16
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