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【吾妻山警戒「1」】安全対策を充実させよ(6月28日)

6/28(金) 9:11配信

福島民報

 気象庁は吾妻山(福島、山形両県)の噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から、1(活火山であることに留意)に引き下げた。県は二十八日午前十時に磐梯吾妻スカイラインを再開通させる。レベルが下がっても活火山に変わりはない。国や県、福島市は登山者、観光客の安全対策を引き続き充実させるべきだ。

 レベル2の時は、県が大穴火口から半径一・五キロの立ち入りを規制していた。大穴火口は浄土平の北西で、一切経山[いっさいきょうざん]との間にある。

 レベル1で規制は縮小されたが、浄土平から一切経山と酸ケ平[すがだいら]までの登山道は通行の規制が続く。半径一・五キロの中に人が入れるレベル1の時こそ、突発的に起こる有事の際に、不特定多数の観光客を守る手厚い備えが必要だ。

 吾妻山には、気象庁が地震計、監視カメラを設置し、仙台管区気象台の地域火山監視・警報センターで二十四時間体制で観測・監視している。

 県や福島市、県警、陸上自衛隊福島駐屯地、気象庁などでつくる吾妻山火山防災協議会は二十六日、浄土平で安全対策を確認した。協議会がまとめた「火山活動が活発化した場合の避難計画(火口周辺地域)」によると、突発的に噴火した場合、県、市のホームページ、ツイッター、ラジオ、防災ヘリコプターなどで周知する。計画には、浄土平地域の避難誘導について「浄土平観光施設職員は、『浄土平火山活動対応マニュアル』に基づき、連携協力し、登山者・観光客等を観光施設建物等へ避難誘導する」と記されている。職員数は限られ、全ての観光客に対応できるかどうかは見通せない。

 二〇一四(平成二十六)年、御嶽山[おんたけさん](長野、岐阜両県)が突然、噴火し、噴石に当たって多くの人が犠牲になった。「リュックサックで頭を守る」「岩陰に隠れる」といった一瞬の判断が大切だ。観光施設以外にも、観光客が自主的に避難できる場所の確保が求められる。

 日本火山学会員で県火山防災協議会専門委員の佐藤公[ひろし]磐梯山噴火記念館長は、吾妻小富士に退避壕[ごう](シェルター)の設置を訴える。噴石を避けられる岩陰が、ほとんどないため、万が一の時、逃げ込める。平常時は火山防災学習の場として活用できる。

 噴煙で見通しがきかなくなった場合を想定し、浄土平には、周囲を照らすサーチライトが必要だ。大型スピーカーも備え、施設周辺だけでなく、遠くにいる登山者にも異常を知らせてほしい。安全を守る対策が、観光客の安心につながる。(三神 尚子)

最終更新:6/28(金) 9:11
福島民報

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