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参院選、山本太郎氏「10人擁立」こだわる理由 諸派をめぐる選挙事情 維新に近づく宗男氏・減税日本……

7/1(月) 14:00配信

withnews

「ごめんなさい。なかなか言いづらいんですが、はっきり言った方がいいですね。お金下さい。お金下さい。本当に」。5月29日夜、東京・北千住。政治団体「れいわ新選組」代表の山本太郎さんは街頭演説で、参院選に向けて「お金」を連呼しました。諸派から考える「参院選」。多くの団体が10人にこだわる理由と、近年強まる「日本維新の会」への接近について、考えます。(朝日新聞編集委員・藤田直央)

【写真】「本日は、自民党の告別式という流れに」首相問責決議案の投票で、手を合わせる山本太郎氏

「10人は確実に候補者を立てる」

30年ほど前の高校生のころ、民放のバラエティー企画「ダンス甲子園」ではじけていた山本さん。今でも押しの強さは健在です。

参院議員の自分一人で「れいわ」を4月に立ち上げてからまだ1カ月半の当時、寄付は1億3千万円集まっていたそうです。それでも足りないと訴え続け、6月27日の時点で「2億円超」(山本さん)に。こうした寄付を原資に、記者会見で「10人は確実に候補者を立てる」と明言しました。

同じ日、「安楽死制度を考える会」が記者会見で参院選に出すと発表した候補予定者の数も10人でした。代表の佐野秀光さんは必要な「お金」のやりくりについて問われ、「まあいろいろ。私が貸し付けるのもありますし」とふわっと答えました。

朝日新聞では今回の参院選報道で、山本さん一人とはいえ国会議員がいる「れいわ」は「主要政党」、国会議員がいない「安楽死」は他の団体とひとくくりで「諸派」として扱います。とはいえ両団体とも「お金」への不安が尽きない中で、いきなり10人もの擁立をめざすのです。どうしてでしょう?

「比例区1人、選挙区9人」で3300万円

まず「お金」への不安ですが、政党交付金をもらえないことが大きいのです。税金を使い、各党の国会議員数などに応じて配分するこの制度は、政党中心の政治と献金による腐敗防止をめざし1995年に導入。国会議員が計5人以上か、直近の国政選挙で全体の2%以上の得票が必要で、2018年は最も少額の自由党でも2億6900万円をもらいましたが、できたばかりの「れいわ」や「安楽死」には無理な話です。

そんな苦しい懐事情で、なぜ今回の参院選でいきなり10人も候補者を出すのか。それはこういうことなのです。

国政選挙に挑むならできるだけ広く訴えたい→コスパが一番いいのは全国を一つの選挙区とみなして団体同士で競う参院選比例区への立候補→政党交付金をもらえない小さな団体なら10人以上立てるしかないと公職選挙法で決まっている。

立候補には一定の得票がないと没収される供託金が必要です。売名などよこしまな考えの立候補を防ごうと設けられたハードルですが、参院選ではやはり1995年から金額が5割増しになり、小さな団体により厳しくなりました。衆院選と同様、比例区で一人600万円、選挙区(都道府県別)で一人300万円かかります。

比例区に出るのに必要な10人には選挙区の候補も計算に入れていいので、「比例区1人、選挙区9人」として、選挙区を人口の多い東京や大阪などにすればコスパはばっちり。実際「諸派」ではこうした擁立の形が多いのですが、それでも供託金だけで最低3300万円。しかも政党交付金がもらえないとくれば活動資金の不利は歴然で、「れいわ」の山本さんも落ち着かないというわけです。

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最終更新:7/1(月) 20:16
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