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忍びよる心臓の病気による“突然死”のサインを見逃すな!

6/28(金) 12:01配信

Medical Note

突然意識を失って倒れる「失神」。原因として一番多いのは自律神経のバランスが崩れて脳の血流量が不足する「良性の反射性失神(血管迷走神経反射)」で、その場合には命にかかわることはありません。ところが、そうした心配無用なものとは別に、突然死に直結する失神もあります。そうした“怖い失神”の見分け方と予防法について知っておきましょう。【東邦大学医学部内科学講座循環器内科学分野教授・池田隆徳/メディカルノートNEWS & JOURNAL】

◇胸が苦しくなり一時的に気を失ったのは何かの前兆?!

「生来健康でこれまで大きな病気をしたことはなく、家族にもこれといった病気はありません。2カ月前の会社の定期健康診断でも、特に異常を指摘された項目はありませんでした。ところが最近、胸が締め付けられるような症状を明け方に感じるようになりました。今朝は胸が締め付けられた後に気を失ったので心配になりました」。そういって、42歳の男性が受診しました。この男性のケースは、前述の“怖い失神”の疑いがあります。

◇心臓突然死の前兆としての失神

国内で年間12万~13万人もの方が突然死をきたしています。突然死とは意識がなくなってから24時間(多くの場合は1時間)以内に死亡することを指します。そのうちの約60%(約7万人)は心臓の異常によるもので、これを「心臓突然死」と呼んでいます。直接の原因は「心室細動」や「心室頻拍」といった危険な心室不整脈です。

「心室」は肺や全身に血液を送り出す心臓下部の部屋で、この部分が痙攣(けいれん)したり小刻みに動いたりするこれら不整脈が一時的に生じると、脳の血流も減少するために一過性の「意識消失(失神)発作」が起こることが多いのです。こうした失神は心臓突然死のサインと考えられます。

◇心臓突然死の原因となる心臓の病気とは

心臓突然死の約90%は元々心臓に病気をもっていた人で起こります。そうした病気で最も多いのが、狭心症や心筋梗塞(こうそく)といった冠動脈疾患(「虚血性心疾患」とも言います)です。冠動脈疾患の多くは血管の動脈硬化によって生じます。動脈硬化が進むと血管の壁に「プラーク」という粥(かゆ)状の物質がたまって血管を狭くし、それが破れて血栓となると閉塞(=心筋梗塞)を起こします。

冠動脈は、心臓に酸素や栄養を届ける非常に重要な血管で、これが詰まるなどして血液が流れにくくなると心筋が弱まってポンプ機能が低下するとともに、心室不整脈の引き金にもなります。

閉塞を引き起こす動脈硬化の原因としては、加齢もありますが、それ以上に高血圧、糖尿病、脂質異常症(高コレステロール血症)、肥満(メタボリックシンドローム)のような生活習慣病が強く関与します。これらは定期健康診断でチェックすることが十分可能です。しかし、生活習慣病よりももっと危険なのが喫煙(たばこ)です。というのも、たばこは冠動脈疾患の原因となるプラーク形成にも多大な影響を及ぼしますが、それとは異なる心臓突然死を引き起こす原因にもなるからです。

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最終更新:6/28(金) 12:01
Medical Note

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