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「なつぞら」 北の酪農ヒストリー 第12回 学校給食と牛乳 成長支え、食育にも

6/29(土) 7:04配信

日本農業新聞

 わが国の学校給食は、山形県鶴岡市の忠愛小学校で貧困児童を対象に救済事業として行われた給食が先駆けとされています。

 戦後の学校給食は、「なつぞら」で戦争孤児の奥原なつが北海道十勝の柴田家に引き取られた1946(昭和21)年、文部・厚生・農林3省次官通達「学校給食実施の普及奨励について」により、方針が定められました。翌47(昭和22)年に、全国都市の児童に学校給食が開始されます。

 なつも味わった戦後の貧困の中で、児童生徒にまず必要なものはミルクであるとして、49(昭和24)年に国連児童基金(ユニセフ)から脱脂粉乳の寄贈を受けることになりました。こうして年配の人には懐かしい「ユニセフ給食」が始まります。

 牛乳が広く国民に普及する上で、学校給食が果たした役割には非常に大きいものがあります。

 58(昭和33)年、農林次官通牒(つうちょう)「学校給食用牛乳供給事業実施要綱」が発せられ、これに伴い文部省管理局長から「学校給食用牛乳取扱要領」が通知され、学校給食に牛乳がはっきり位置付けられました。

 これを契機に、それまで飲用していた脱脂粉乳は徐々に牛乳に置き換わっていきました。牛乳は、国庫補助を受けて、学校給食の栄養を中心的に支える食品としての役割を果たすようになります。

 「学校給食摂取基準」(文部科学省)では、児童生徒に提供する栄養量の基準値が示されています。特に成長期に必要なカルシウムは、学校給食で1日に必要とされる推奨量の50%を取れるように配慮されており、牛乳がそれを支えています。成長期における牛乳・乳製品の摂取は、骨量を高め、人生100年時代の到来に向けた健康な体づくりに有効です。

 児童生徒にとって給食で毎日飲む牛乳は、とても身近な食品です。命に直結した牛乳を通して栄養的価値を学び、乳牛という生き物を通して、命の尊さを学びます。また、酪農家の皆さんの勤労の姿に「感謝の心」や「勤労の精神」などを育むことができます。

 なつが、まさにそうだったように、牛乳は食育の生きた教材です。(全国学校栄養士協議会会長・長島美保子)

最終更新:6/29(土) 7:04
日本農業新聞

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