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トヨタ「スープラ」がBMWをパートナーに選んだ理由

6/30(日) 7:00配信

&GP

直列6気筒ターボを積むRZこそスープラの真骨頂

そうした誕生背景を持つ新型スープラには、4気筒エンジンを搭載するグレードもラインナップされているが、今回はスープラのDNAともいうべき6気筒エンジンを搭載するトップグレード、RZの印象をお届けしたい。

走り始めてまず驚いたのは、乗り心地の良さだった。

今回の試乗ルートは一般道で、路面に凹凸があるなど、舗装の荒れた場所も少なくなかった。しかも新型スープラは、サーキット走行までも視野に入れたバリバリのスポーツカー。それだけに「乗り心地が悪そうだな」という先入観を抱いていたのだが、決してそんなことはなかったのである。

そこにはもちろん、ドライバーが切り替えることでショックアブソーバーの減衰力(硬さ)を変えられる、RZに標準装備される電子制御サスペンション“アダプティブバリアブルサスペンションシステム”の効果もある。しかし、標準モードはもちろんのこと、手元のスイッチで「スポーツ」モードに切り替えても、新型スープラの車体はフラットに保たれ、ドライバーはもちろん、助手席に座っていても不快感がなかったのだ。

これは、ハイレベルな走りを求めた結果、車体の骨格がしっかりしたこと(車体剛性はレクサスが2010年に送り出したスーパーカー「LFA」より高いという)と、サスペンションがスムーズに動いていることの賜物だろう。新型スープラは意外にも、乗る人に優しいスポーツカーだったのだ。

もちろんRZには、シリーズ中、最も高出力なエンジンに物をいわせての、絶対的な加速力という武器もある。BMW謹製の3リッター直列6気筒ターボエンジンは、340馬力(多田さんによると「この数字は本当の実力よりも低めの値」だという)を発生。停止状態から100km/hまでの加速力を示す“0-100km/h加速”のタイムは、北米仕様の参考値で4.1秒と、スーパーカーやスーパースポーツカーを別格とすれば、なかなかの俊足だ。

そして、スポーツカーらしさを何よりも感じさせてくれたのは、エンジンの回転フィールや音といった、五感を刺激する官能的な部分。ひとたびアクセルペダルを踏み込めば、快音を響かせながらレスポンスよくエンジン回転計の針が跳ね上がり、そのさまは、ドライバーの快楽を誘う刺激となる。そして、回転が上がるほどパワーが沸いてくるというダイナミックな味つけと、その時の爆発力がすさまじく、さらに、シフトアップ/ダウン時に「バババッ!」、「パン!」といった破裂音がマフラーから響き、ドライバーを楽しませてくれる。

速さだけではない、こうした味つけこそが、直列6気筒ターボを搭載するRZの真骨頂。新型スープラのRZは歴代モデルの中で、最も官能的だといえる。そして、その“感覚”を味わうために、4気筒エンジン搭載車に対してプラス100万円のエクストラコストを払う価値は、絶対にあると思う。

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最終更新:6/30(日) 7:00
&GP

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