ここから本文です

東京で高まる「ひとり焼肉」ニーズ、実はひとりのためだけじゃなかった! その最前線を追う

6/30(日) 7:02配信

アーバン ライフ メトロ

ライバル社の見解は?

 立ち食い焼肉という形態で「ひとり焼肉」需要の先鞭をつけ、現在都内に6店舗を構える「治郎丸」は現在、来店客の30~40%がひとり客で、過去3年間で3~5%の伸びを見せているといいます。運営元の弥生は「今後も同様に増えていくでしょう」と自信をのぞかせます。

 同店の売りは、A4ランク以上の黒毛和牛を1枚単位で提供していることです。「ひとり焼肉」利用者に人気のメニューは、サーロイン(300円)とリブロース(同)だといいます。

「通常の焼肉店で1皿4000~5000円する黒毛和牛を、安く食べられると人気です」(弥生の担当者)

 来客層の約40%が女性。来店者の滞在時間は昼夜平均で30分程度とのことです。

「さまざまなコンセプトの『専門店』が多く出店することで、気軽に『ひとり焼肉』が楽しめる流れができるといいですね。しかし、当社は黒毛和牛にこだわっているため、肉の価格相場の関係上、急激な出店は控えています」

 弥生ではライバルの出店加速を冷静に受け止めているようです。

 一方、焼肉レストランチェーン「七輪焼肉 安安(あんあん)」を全国展開する富士達(横浜市)は、市場をけん引してきた業界大手の立場から、専門店について次のように見解を述べます。

「当社では、ひとり1台の無煙ロースターの設備代がメニュー料金に反映されてしまうことより、ひとりでも多くのお客さまに、さまざまなシーンでご利用いただけるよう、設備代を抑えることで価格も抑え、メニューそのものの価値を上げていきたいと考えています。もちろん当社でも『ひとり焼肉』のお客さまは大歓迎です」

「ひとり焼肉」の意味する本質とは?

 取材を続けていると、既存の「ひとり焼肉」という固定化された概念をひっくり返す考えに出会いました。ある焼肉チェーン関係者は「専門店か否か」という現在のカテゴライズにそもそも違和感を覚えるといいます。

「専門店という言葉はたしかに分かりやすく魅力的に聞こえますが、ふたりで行けば、仕切り壁を外して対応してくれる店舗もあります。結局のところ、店舗の『レイアウト』に関する話に過ぎないのでは」

 これには、前出の焼肉ライクの担当者も口をそろえます。

「メディアの影響で、専門店という言葉が先行してしまい、ひとり『専門』の店舗だと誤解されがちです。本当は、ひとり『でも』焼肉が食べられるという意味で、ご友人やご同僚と来られてもまったく問題ありません。『でも』とは、複数人で来られても、席が分かれているため、自分の『パーソナルスペースを確保できる』といった意味です。この本質がご理解されれば、これまで複数人で来られていた方が、ひとりでも来られるようになります」

「焼肉ライク 渋谷宇田川町店」取材時も、20代の女性会社員ふたり組が来店。記者が来店した理由を聞いたところ、女性のひとりが隣にいるもうひとりの女性を見ながら、「友だちが『このお店は安いから』と誘ってくれたんです」といい、一列の席に仲良く横に並んでいました。ふたりはともに一番人気の「カルビ&ハラミセット 200g」を注文。焼肉をほお張りながら、「思っていたよりも本格的でおいしい」とうれしそうに話していました。

3/4ページ

最終更新:8/11(日) 19:20
アーバン ライフ メトロ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事