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『メン・イン・ブラック』最新作を観て、ハマったアーティストとそうでもなかったアーティスト

7/1(月) 18:01配信

M-ON!Press(エムオンプレス)

邦ロック界で一二を争う映画論客とも言われるBase Ball Bearの小出祐介が部長となり、ミュージシャン仲間と映画を観てひたすら語り合うプライベート課外活動連載。
今回はなーんも考えなくても楽しめちゃうSF映画『メン・イン・ブラック:インターナショナル』を、男子ミュージシャン3人で劇場観賞してきました!

【動画】『メン・イン・ブラック:インターナショナル』予告編

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みんなの映画部 活動第54回[前編]
『メン・イン・ブラック:インターナショナル』
参加部員:小出祐介(Base Ball Bear)、オカモトレイジ(OKAMOTO’S)、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)
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■『メン・イン・ブラック』シリーズのファンです

──今回は軽めの気持ちで『みんなの映画部』第54回です。王道のブロックバスター映画、『メン・イン・ブラック:インターナショナル』を観てきました。では恒例の小出部長からひと言お願いします。

小出 ちょうど良かったです。お通しに出てきたうまい小鉢っていう感じ。お通しって、自然な気持ちで食べるじゃん。

ハマ たしかに。で、オッ!? っていう。

小出 そうそう。オッ!? うまいじゃん、これ。もうちょっともらいたいなってぐらいの。

レイジ おかわり頼めないの? みたいな(笑)。

ハマ 僕も思ったより全然良かったですね。すごくうれしい気持ちです。

レイジ 俺は期待しすぎちゃってたのかな~。もうひとつ面白くなかったですね。

小出 そうなの? お通し、口に合わなかったんだ。

ハマ 『メン・イン・ブラック』シリーズって元々観てた?

レイジ あんま観てない。なんとなく知ってるくらいの感じ。

──温度感の違いが明確ですね。観賞中、クスクスしてるふたりと、ソワソワしてたレイジくん。

ハマ 僕は結構ファンですからね、このシリーズの。『メン・イン・ブラック』って一貫してデザインが良いじゃないですか。武器とかキャラクターデザインとか。今回はその辺も抜かりなかったし、あと過去作オマージュも結構多くて。

レイジ オマージュってどの辺?

ハマ 例えば今回のヒロイン、新人エージェントM(テッサ・トンプソン)は子供の頃からMIB(地球上に生息するエイリアンを監視する最高機密機関)入りを目指してきた人で、いわゆる宇宙オタクじゃないですか。彼女がエイリアンの情報を知るのが、新聞なんだよね。

小出 ゴシップ紙の一面が全部エイリアンニュース(笑)。これがいちばん有力な宇宙人情報っていうね。

ハマ 1作目ではウィル・スミス演じる主人公Jが、ニューヨーク市警からMIBのエージェントになって、エイリアン情報をキャッチするために街の売店でゴシップ紙を買うシーンがあるんです。

──東スポみたいなもんだね(笑)。

レイジ たしかにそれは前作好きな人だったら盛り上がるポイントでしょうね。

小出 そういう“MIBあるある”がうまいこと組み込まれているんだよ。

ハマ MIBのオフィスで何かをぶちまけちゃうとか。めちゃくちゃ跳ねちゃう小惑星みたいなのも起動させてパニックになる。

小出 1作目の再現だよね。スーパーボールみたいな球体がボンボン跳ねちゃってみんなに迷惑かける、みたいな。しかも、いかにもオマージュですっていうあざとさがなくて、サラッとやってる。Fこと、しゃべる犬のフランクもさらっと出す感じ。

ハマ うん。いやらしくない感じだった。あと“MIBあるある”で言えば、“最近のポップスター=エイリアン説”を唱えるシーンもちゃんとありましたね。

小出 前作に当たるシリーズ3作目(2012年)で言えば、レディー・ガガもジャスティン・ビーバーも実はエイリアンなんだよ、っていうネタね。今回はチャイルディッシュ・ガンビーノことドナルド・グローヴァー、アリアナ・グランデがエイリアンだっていう。

──その辺、わかりやすい時代の刻印として面白いですよね。

小出 ちなみに今回さ、主人公がエージェントMじゃないですか。実はマイケル・ジャクソンが『メン・イン・ブラック』第一作の大ファンで、続編に自分をエージェントMとして出してくれって何度も直談判してきたらしいんだけど、「出せるとこないよ」ってスタッフ側が困っちゃって、その結果、2作目に一瞬だけモニターに映ってるだけの脇役でカメオ出演してるんだよね。

で、今回“M”の座はテッサ・トンプソンに渡っちゃった。やっぱりマイケルはエージェントMになれなかったんだなって。

ハマ そっか……。思えばちょっと悲しい話ですね。

■過去作のオマージュとやってなかったポイントをちゃんと押さえてた

小出 その“MIBあるある”で今回もしっかり踏襲していたのは、映画の出だしが大ボスで始まるっていう。これは毎回そうなんですよ。『1』だけはさすがに主人公ふたりの登場が先だけど、地続きでボスが登場する。

ハマ 今回のオープニングも恒例の鉄則を踏まえて、いつもと同じ描写だったもんね。車がドリフトして、エッフェル塔映して。

小出 あと今回新しかったのは、シリーズ4作目にして初めてMIBの内部にスパイがいるっていう話。このパターン、いかにもやってそうで意外とまだやってなかったの。

レイジ へえ~。

ハマ それとMIBのエージェントたちは、自分たちやエイリアンを目撃した民間人の記憶を、ニューラライザー(記憶消去装置)っていう小道具で必ず消すんですよ。MIBは秘密の組織だし、エイリアンの存在も一般に知られちゃうとまずいから。

でも記憶を消し損ねた民間人って絶対いるだろうなって。それがね、今回のエージェントMなんですよ。ニューラライザー漏れしてた人を主人公に持ってきたっていうのが、俺的にはかなりアツかったですね。

──そりゃ相当なファンだね(笑)。

小出 だからシリーズをしっかり観てきてる人間からすると、過去作のオマージュと、今までやってなかったよねっていうポイントをちゃんと両方押さえてたから結構びっくりした。よくある続編企画のようにだらしなくなってるのかと思いきや、むしろアップデートされてんじゃんって思って。

ハマ 愛ある感じでしたよね。そのぶんシリーズに馴染んでない観客には入りにくいのかな?

レイジ 別にわかりにくい話ではないんですけど、個人的にはMがエージェントに合格するまでにもう1ステップだけあったら、全然面白かったのになって気持ちになっちゃいましたね。

ハマ なるほどなあ。実は『メン・イン・ブラック』ってその辺の過程をかなり削除してきてる映画で、元々1作目もニューヨーク市警の問題児で、だけど成績は抜群に良くて、ありえないぐらい足の速いエイリアンを自分の足で追いかけるっていう成果をあげた黒人の新人警官をスカウトするっていうところから始まるから。

小出 いろんなご都合主義を楽しめるかどうかで反応は分かれるよね。

レイジ そうかもしれない。

TEXT BY 森 直人(映画評論家)

本作の“バディ感”について語る[後編](7月2日(火)配信予定)に続く

最終更新:7/1(月) 18:01
M-ON!Press(エムオンプレス)

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