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「スープラ」の歴史上、初めて設定された4気筒モデルの魅力

7/1(月) 6:00配信

&GP

17年ぶりに復活したトヨタ「スープラ」には、歴代モデルには存在しなかった“初モノ”が存在する。それこそが、新型のラインナップに加わった4気筒エンジン搭載モデルだ。

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340馬力を発生する3リッターの直列6気筒エンジンに対し、2リッターの4気筒ターボは258馬力と197馬力を発生。前者は4気筒モデルのトップグレードである「SZ-R」に、後者はボトムグレード「SZ」に搭載されている。果たして、新型スープラの4気筒モデルは、どんな魅力を秘めたクルマなのだろうか?

トヨタ基準を超えた先に存在する新型スープラ

4気筒モデルの印象をお伝えする前に、まずは新型スープラの興味深いネタを披露しよう。

何かと話題の新型スープラだが、その開発責任者であるトヨタ自動車・多田哲哉さんの車両解説は、いつも面白い。これまでうかがった話の中で興味深かったことのひとつが、「新型スープラにはトヨタ車の基準を外れている部分があるが、スポーツカーには社内基準よりも重要なことがある」という話。

そもそも新型スープラは、トヨタ車としては異例の存在だ。商品企画やデザイン、そして走りなどの味つけはトヨタ自身が行っているが、基本設計はBMWが担い、生産はオーストリアのマグナ・シュタイヤー社が請け負っている。

多田さんのいう、トヨタ車基準から外れている代表例が、“サイドシル”と呼ばれるドア開口部の敷居だ。新型スープラのそれはとにかく太く、雨の日にロングスカートをはいた女性が乗り降りする場合などは、かなりの確率で裾を濡らしてしまうだろう。しかし新型スープラは、あえて太いサイドシルをセレクトした。なぜならそうすることで、軽く頑丈なボディを作ることができるからだ。「こんなに太いサイドシルは、トヨタ車だったら認められないし、BMWの人たちからもかなり驚かれた」と、多田さんは振り返る。

また新型スープラは、最低地上高と呼ばれる地面と車体とのすき間が小さい。コンビニに入る場合など、道路の段差を乗り越える時には少し神経を使うが、「車体が低いほど重心が下がり運動性能は高まるし、見た目にもカッコいい。『86』のユーザーを見て、スポーツカーに乗る人はそういう部分を理解してくれることが分かった」と多田さんはいう。

もちろん新型スープラには、路面とのクリアランスが小さいことに対するフォローが盛り込まれていて、車体が接触する場合、フロントバンパー下部の奥(見えない部分)にあるふくらんだ部分が、まず路面に触れるよう設計されている。そのふくらみが「これ以上進んだら危ない」というセンサーの役目を果たすのだ(実はコレ、スーパーカーなどではよく見られる手法)。

実用性や使い勝手を左右する部分については、トヨタの社内基準を厳格に守ることよりも、クルマの魅力を高めることを最優先。新型スープラは、クルマの開発思想においても、そうした例外が見え隠れする。

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最終更新:7/1(月) 6:00
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