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丸亀製麺が始めた「30分飲み放題」 何が見えてきたのか

7/3(水) 8:15配信

ITmedia ビジネスオンライン

 ずるずるずるずるずる――。

 ランチタイム。讃岐うどん専門店「丸亀製麺」(運営:トリドールホールディングス)の店内をのぞくと、たくさんの人がうどんを食べている。「かけうどん」(並)を290円(税込、以下同)で食べることができるので、「お昼ごはんに」「ちょっと小腹がすいたので」といった感じで、店にフラリと立ち寄ったことがある人もいるのでは。

【画像】丸亀製麺、一番人気の「唐揚げ弁当」

 ただ、夜になると、店内の様子はちょっと違う。空席が目立つのだ。このままではいけないということで、夜メニューなどを投入したものの、結果はいまひとつ。このままではやっぱりいけないということで、「30分飲み放題」を投入したところ、夜の売り上げが3割ほど伸びているそうだ。

 「30分飲み放題」は、2016年6月にスタート。都市部の店舗を中心に展開していて、12店で提供している(6月28日現在)。価格は1000~1300円で、うどんか親子とじのどちらかに加え、総菜を2品選ぶことができる。飲料はビール、ハイボール、レモンチューハイ、焼酎を用意していて、時間内であれば注ぎに行ける(店舗によって、フードや飲料の内容が違う)。つまり、最後の1杯はゆっくり楽しみ、長く滞在することもできるのだ。

 売り上げが好調なのは、飲み放題だけでない。17年3月に一部の店舗でお弁当を販売したところ、1日に100食ほど売る店も出てきたという。それにしても、なぜ丸亀製麺はうどん以外のモノにチカラを入れているのか。また、どうやってお客の“胃袋”をつかむことができたのか。飲み放題やお弁当を担当している、同社の田中誠治さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

「飲み放題」を始めたきっかけ

土肥: 居酒屋などの飲み放題といえば、「2時間」とか「3時間」が多いですよね。にもかかわらず、丸亀製麺は「30分」に設定しました。客は1000円を払えば、うどんか卵とじをチョイスして、総菜を2品選ぶことができる。また、ビールやハイボールなども楽しめるので、懐が寒いサラリーマンにとってはものすごくうれしい。そもそもどういったきっかけで、このようなサービスを始めようと思ったのですか?

田中: 丸亀製麺を一度でもご利用いただければ想像できると思うのですが、昼はお客さんが多い。うどんを購入したいただくために行列ができることも珍しくないのですが、その一方で夜はどうか。空席が目立っているんですよね。お客さんの数は「昼8割、夜2割」といった店も多い。

 なんとか夜もお客さんを増やすことができないか。こうした課題をずっと抱えていまして、これまでさまざまなことに取り組んできました。例えば、夜専用メニューとして、「鍋焼きうどん」(640円)を用意しました。注文をしていただくと、目の前にカセットコンロを設置して、その上に土鍋を置く。煮立ったら召し上がることができるのですが、売れ行きはいまひとつでして。その後、終売になりました。

 じゃあ、お酒を提供してみてはどうかということで、缶ビールを用意しました。しかし、これも支持されずでして。いろいろ試してみるものの、なかなかうまくいかない。そうした中で、お客さんに「驚き」を感じられるものは何かを考えました。他の飲食チェーンで「ちょい飲み」が流行っていたこともあって、丸亀製麺でも飲み放題を提供してみてはどうかといった話になったんですよね。

 飲み放題の時間を「2時間」「3時間」に設定すると、店内がにぎやかになりますよね。そうすると、「うどん」を食べに来られたお客さんに迷惑がかかるかもしれない。そうした事態は避けなければいけないので、社内から「30分はどうか。そのくらいの時間であれば、他のお客さんにご迷惑はかからないのでは」といった意見がありました。そんなこんなで、実証実験の一環として、「30分飲み放題」を始めました。

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最終更新:7/3(水) 8:15
ITmedia ビジネスオンライン

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