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【特集】ALSのダンサーが行う「生前葬」 新たな人生のスタート

7/3(水) 15:05配信

MBSニュース

“死を意識”の2人が往復書簡

作家の清水哲男さん(65)も藤井さんの生前葬を支える1人です。清水さん自身も1年半前に大腸がんの手術をしています。死を意識した2人はブログでつながりました。

「死にたい死にたいと言っている話を聞いて、2回目に会ったときに社会とのパイプを閉ざさないでと話したんですよね。」(清水哲男さん)

清水さんは、ALSを患いふさぎこんでいた藤井さんが世間との関わりを絶たないようにとブログの往復書簡を提案しました。名前は「ENJOY DEATH 死を楽しむ毎日。」です。

【往復書簡の内容】
3月29日投稿:清水さん「もう少し生きてみませんか」
3月29日投稿:藤井さん「今日は一日中気力なく寝込んでいます」
4月1日 投稿:清水さん「京都に参ります。ご心中たっぷりお聞かせください」

病に苦しむ心境をさらけ出すうちに、藤井さんは前向きな気持ちを取り戻すようになりました。

一方、清水さんはALS患者が人生最後に直面する問題を考えるようになりました。

「家族に負担をかけなければならない、迷惑をかけることになるので、ALSの患者さんは7割から8割が人工呼吸器をつけない選択をする。まだ生きられるという可能性があるのに、その思いを断って呼吸器をつけない選択をする人がものすごく多い。そういう状況に追い込まれているということですよ。」(清水哲男さん)

藤井さんもいつか筋肉が痩せて呼吸が難しくなり気管切開をするかの決断を迫られる時がきます。

「(決断をするまでの)1年間だけでも濃く生きてみなさいと(神様に)言われた幸せを感じています。それでも生き地獄になるのは間違いない。乗り越えられないけど意識できるだけこんな幸せはないと思っています。」(藤井幹明さん)

「ENJOY DEATH」

生前葬当日(6月29日)、会場の京都芸術センターには藤井さんのダンス仲間や長年のボランティアでつながった人たちなど約250人が集まりました。生前葬のテーマはもちろん「ENJOY DEATH」。病の宣告後は1人で閉じこもろうとしていた藤井さん、いまは自分が思っているより大勢の人に支えられていることを感じ、踊ります。藤井さんはこの日、人との絆を大切に、生きていく決意をしました。

「私のことをこれだけ思ってくれる人がこんなに多くいるとは思っていなかった。」(藤井幹明さん)
Q.藤井さんは“ENJOY DEATH”できましたか?
「もう恥ずかしいくらいできた。」

「ちょっと悔しいけどめっちゃかっこよかったです!すごく温かい優しい時間だなと感じて、このまま時間が止まったらいいのになと思いました。」(市川まやさん)

生前葬は終わりではなくスタート。これから藤井さんの新しい人生がまた始まります。

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最終更新:7/3(水) 15:10
MBSニュース

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