ここから本文です

HIV感染の不安を解消する2つの薬とその費用

7/4(木) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【性感染症最前線】エイズ(5)

 セックスの相手がHIV感染者、もしくはその可能性がある人で、コンドームを使用しないで性交してしまった。

 HIVの感染力は他の性感染症に比べると弱く、1回の性交で感染するとは限らないが不安が残る。

 そんなとき、どうするべきか。HIV検査で感染の有無が判定できる2カ月後まで待つしかないのか。

 性感染症専門施設「プライベートケアクリニック東京」(新宿区)の尾上泰彦院長が言う。

「HIVに感染したかもしれない行為の後、72時間以内に抗HIV薬の内服を開始する『PEP(ペップ=曝露後予防内服)』という予防策があります。内服は1日1回か2回を28日間続けます。WHO(世界保健機関)の調査報告では、HIV感染のリスクを80%以上低減できるとされています」

 PEPは、性交の相手がHIV陰性者と分かっている場合や、自身がすでにHIVに感染している場合は対象にならない。

 また、性交渉後の曝露後予防を目的とした抗HIV薬の内服は日本では未承認なので、診療や薬の処方は自費診療になる。

 費用は、国内のエイズ医療体制の頂点である国立国際医療研究センター/エイズ治療・研究開発センター(ACC)の場合で言えば、初診料2万円(税別)、薬剤費は1日当たり1万円で28日間分で28万円(同)となる。

 HIV感染予防策は、これだけではない。

 近年、欧米を中心に予防的に性交前から抗HIV薬を飲む「PrEP(プレップ=曝露前予防内服)」という新しい予防法が広がりつつあるという。

「日本では世間のHIVへの関心が低く、ほとんど議論されていませんが、PrEPの研究は世界中で行われていて、9割程度の予防効果があることが明らかにされています」

 具体的には、2種類の抗HIV薬が入っている合剤の「ツルバダ」という薬を1日1回(1錠)、毎日飲むのが世界で最も普及している方法。

 WHOもHIV感染のリスクの高い人たちに対してPrEPを推奨し、2015年にガイドラインを策定している。

 しかし、ツルバダは1錠約3900円と高額で、適用外使用なので1カ月飲むと11万~12万円も費用がかかる。世界的には、1カ月分を5000円程度で買えるジェネリック薬をネット通販などで購入して広まっている。

「国内でも個人輸入などで使っている人がいるようですが、腎機能障害などの副作用の管理が必要です。個人的にPrEPを始める際には性感染症専門医に相談して、必ず定期検査を受けるべきです」

最終更新:7/4(木) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事