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【特集】犯罪の”加害者”を支援する… 全国初の条例を施行した明石市、その「支援現場」を取材

7/4(木) 14:40配信

関西テレビ

何度も犯罪を繰り返してしまう、知的障害や精神疾患のある人などの更生を支援するという全国初の条例が兵庫県明石市で施行されました。

今回、再犯を防ぐための支援の現場を取材。加えて精神疾患の男が起こした事件で、長男を亡くした遺族は、この条例をどう捉えているのか、話を伺いました。

長男を殺した犯人が…精神疾患で不起訴に

兵庫県明石市で50年以上続く、老舗割烹料理店「いそざかな いっとく」

『鯛とシマアジと鰈です』

次男と共に、店を切り盛りするのは曽我部とし子さん(73)。
地元で愛されてきたこの店は、20年以上前、ある出来事をきっかけに閉店の危機にさらされました。

【曽我部とし子さん】
「白昼、息子は市街地を歩いていて、背後から刺されて。病院に駆け付けた時にはすでに亡くなってた」

1996年6月9日、明石駅前の路上で長男の雅生(まさお)さんが男に刃物で刺され亡くなったのです。

【曽我部とし子さん】
「24歳でしたので、職人さんのあとについて色々、料理の事とか教えてもらったり、ぼちぼち、ちゃんとして(板前として)ものになりかけたような」

とし子さんは生きる気力を失い、店の経営はみるみるうちに悪化していきました。

【曽我部とし子さん】
「(事件後しばらくして)いきなりね、怒りが出てきて…。調理道具のボウルをアイスピックで、がーッとたたいてみたりね」

そして事件から半年がたったある日、とし子さんに追い打ちをかけるように、非情な知らせが届きます。

【曽我部とし子さん】
「検事さんから電話がありまして、無罪(不起訴処分)です、と。病院に入りますと、電話で連絡がありました」

容疑者の男には精神疾患があり、不起訴になったのです。

裁判も開かれず…真実知る機会も失う

『心神喪失者の行為は、罰しない。心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する』

日本の刑法39条には、精神疾患や知的障害などで、行動の善悪を判断できない人が犯した罪は刑罰に問えない、もしくは刑罰を軽くすると定めた条文があります。

この法律によって、雅生さんを刺した犯人の男は不起訴処分になり、裁判は開かれませんでした。

とし子さんは犯人に罪を償うことを求める権利も、裁判で真実を知る機会も奪われました。

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最終更新:7/8(月) 17:13
関西テレビ

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