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県内初 共用の無菌調剤室整備 ライブリー、花巻市の薬局に【岩手】

7/4(木) 11:31配信

岩手日日新聞社

地域医療、質向上へ 8月の本格稼働見込む

 岩手、青森両県で保険薬局を展開するライブリー(本社北上市、田中紘一代表取締役社長)は、同社が経営する二十六薬局=花巻市西大通り=に、本県初となる共同利用可能な無菌調剤室を設置した。クリーンルームを持たない薬局でも同調剤室の共用で対応できる処方の幅が広がり、患者家族を含めた地域医療の質向上が図られる取り組み。少子高齢化を背景に在宅医療が推進される状況下、県内在宅医療関係者らの注目を集めている。

 病院での治療から自宅療養へ移行する際などに無菌調剤の注射薬が必要になる場合があるが、患者が利用する薬局にそのための設備がなければ対応が難しくなる。薬局変更を迫られるケースとなるが、患者にとっては、長年の闘病経過や身体状況、家庭環境などを熟知した「かかりつけ薬局」との離別はマイナス面も大きいとされる。

 このため全国各地で、地域内各薬局から薬剤師を受け入れる共用無菌調剤室整備が進められている。県土の広い本県でも必要性は指摘されていたが、初期投資がかさむことなどがネックとなり、これまでは設置されて来なかったという。

 こういった状況を改善しようと同社は、他薬局の勤務薬剤師も利用できる無菌調剤室の設置に踏み切った。▽共同利用契約▽無菌調剤室に関する研修実施▽利用時の申し込み-で、設備のない薬局の勤務薬剤師にも無菌調剤が行える環境を提供する。

 これらの取り組みをリードするのは、本県出身で北海道のがん診療連携拠点病院勤務など豊富な経験を持つ若手薬剤師・高橋涼太さん(32)。「共用無菌調剤室の認知度が上がるよう努め、これをきっかけに各薬局や医師らがさらに力を発揮できるよう、後方支援に努めたい。キーワードは地域連携。足りないところを補い合い、患者さんがより良く在宅で過ごすためのサポートをしたい」と意気込む。

 広さ約5・8平方メートルのクリーンルームを備えた調剤室と関連設備は今春完成しており、本格的な受け入れは8月ごろ始まる見込み。同社盛岡オフィスの大志田眞統括本部長(61)は「高齢化に伴い薬が必要な患者さんも増える。会社の理念は地域貢献。多くの医師や保険薬局に共用無菌調剤室を知ってもらい、在宅療養を望む患者さんやその家族、地域のお役に立てれば」と話し、本格稼働へ向け準備を進めている。

最終更新:7/4(木) 11:38
岩手日日新聞社

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