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どうなる?日の丸ジェット開発 ライバル企業を買収した三菱重工の狙いとは

7/7(日) 15:00配信

THE PAGE

 三菱重工業が、カナダの航空機大手ボンバルディアから小型機事業を買収すると発表しました。三菱重工は日の丸ジェット「MRJ」の開発を進めてきましたが、これまで何度も納入延期を起こしており、新規受注もストップしたままです。突如、ライバル会社の事業を買収することになったわけですが、これにはどのような狙いがあるのでしょうか。

MRJから三菱スペースジェットに名称変更

 三菱重工は6月25日、カナダ・ボンバルディアの小型機「CRJ」事業を買収すると発表しました。ボンバルディアは小型旅客機を製造するメーカーで、MRJとはライバル関係にある企業です。三菱重工が買収するのは、CRJ事業のうち保守、顧客サポート、販売、型式証明などの部門で、機体製造については三菱重工から委託を受けるという形で、引き続きボンバルディアが行うことになります。

 三菱重工はこれまで初の国産ジェット旅客機であるMRJの開発を進めてきましたが、プロジェクトは思うように進まず、これまで5回にわたって納入を延期。2020年に量産機納入を開始するとしていますが、開発が遅れる間に、ライバル会社の最新鋭機が投入されたこともあり、ビジネス的には厳しい展開が予想されています。同社は、従来の開発計画をあらため、名称もMRJから三菱スペースジェットに変更。米国市場に強いとされる70席クラスの機体の開発をあらたに進める意向を示しています。

北米での事業活動がスムーズに

 今回、ボンバルディアから小型機事業を買収したことで、北米での事業活動をスムーズに進めることができるようになります。日本式でゼロから拠点を整備するよりも、既存事業を買った方が合理的と判断したものと考えられます。しかしながら、ボンバルディアの事業を買収したとしても、スペースジェットをめぐる環境が厳しいという状況が大きく変わるわけではありません。開発に手間取った90席クラスの機体は、仮に予定通り納入できたとしても、大ヒットにはならない可能性が高いでしょう。今後の事業の柱とする70席クラスの機体はこれから開発を進めるという状況ですから、当分、収益には貢献しません。

 小型機の業界では圧倒的なシェアを持つブラジルのエンブラエルは、航空機製造の巨人であるボーイングの傘下に入っており、ますます競争力を強めています。ボンバルディアが三菱重工への売却によって事実上、小型機から撤退したことで、その分のシェアを確保することは可能ですが、そこから先はボーイングとの戦いになってしまいます。三菱重工にとっては、巨額の負担が続くことになりそうです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:7/7(日) 15:00
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