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伊調敗北は“忖度判定”か…代表決定戦で新たな火種が表面化

7/8(月) 12:00配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 ネット上では、「明らかに不可解だ」「いや、判定は正しい」「審判が協会に忖度したのではないか」と侃々諤々の論争になっている。

 6日のレスリング世界選手権代表決定プレーオフ。五輪4連覇中の伊調馨(35=ALSOK)が2016年リオ五輪63キロ級王者の川井梨紗子(24=ジャパンビバレッジ)に敗れた女子57キロ級の一戦は、確かに微妙な判定が勝敗を分けた。

 ポイントは3―3。内容差で惜敗した伊調は、「自分が弱かった、とは言いたくない。梨紗子が強かった。悔しいけど、悔いはない」と潔かったが、収まらないのは伊調陣営だ。試合後、田南部力コーチは取り囲んだ一部メディアに対し、「伊調のポイントになるべきところをなかなかポイントにしてくれない。ひどすぎる。伊調本人も試合中に心が折れた」と審判への不満を口にして、怒りを爆発。「今回はジャパンビバレッジ(有利の)判定がひどかった。いろんな力が働いていたのではないか」とまで口にし、審判批判を繰り返したという。

「金メダリスト同士の激突ですから、当然、試合は拮抗する。ハイレベルな攻防が繰り返され、どちらにとっても微妙な判定があったのは確か。伊調陣営に言わせれば、グラウンド技を仕掛けにいった途端に膠着状態と判断したレフェリーにブレークされたという不満が募った。現に、試合中に田南部コーチがマットへ上がり、審判に暴言を吐いたとして退場処分になっている。試合後、田南部コーチが川井の所属先であるジャパンビバレッジを名指しして、不可解判定を問題視したのは、日本レスリング協会の福田富昭会長と関係の深い企業だからでしょう。福田会長はジャパンビバレッジの前身であるユニマットの社長を務めていましたからね。つまり、不可解判定の裏に協会への忖度があると言いたかったのでしょう」(アマチュアスポーツ担当記者)

 伊調に対するパワハラが告発された18年2月以降、五輪4連覇の絶対女王はレスリング界から総スカン状態になったのは確かだ。騒動の最中、母校・至学館大学の谷岡郁子学長は前人未到の五輪5連覇を目指す伊調に対し、「そもそも選手なんですか? 彼女は東京五輪を目指しているのですか?」と冷たく言い放った。日本レスリング協会副会長でもある谷岡学長の言葉には、斯界を混乱に陥れた伊調側に対する協会の怒りがまざまざと表れていた。パワハラ告発で失脚した元至学館大レスリング部監督で日本協会強化本部長でもあった栄和人氏を中心に、伊調と田南部コーチの「親密関係」を盛んにメディアにリークし、騒動の矛先を変えようと必死になる連中もいた。

 昨夏に2年ぶりに復帰してからも、決して事態が好転したわけではなかった。パワハラが認定されたレスリング協会が謝罪し、伊調の復帰を「全面的に支援する」と約束しながら、今年3月の週刊文春には「伊調馨イジメが終わらない」と題した記事が載り、伊調の姉で04年アテネ、08年北京五輪48キロ級銀メダリストの千春氏や、ジュニア時代の恩師で青森県レスリング協会会長の沢内和興氏が「伊調イジメが続いている」と“告発”しているのだ。

 今回の川井梨との一戦に関しては、多くの専門家が「判定は正当」と論評している。協会の斎藤修審判委員長も試合後、報道陣に試合の映像を見せながら、「なんの疑惑もない」と田南部コーチらの訴えを退けている。

 しかし、沢内氏は判定が不可解だとして、世界レスリング連合に訴える可能性を示唆した。金メダリスト同士のハイレベルな激闘は、泥沼の場外乱闘に発展しそうな雲行きである。

最終更新:7/9(火) 17:45
日刊ゲンダイDIGITAL

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