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「缶つま」誕生の裏側にあった「発想の転換」 「安い保存食」から決別し、高価格で商機 1万円の缶詰も!

7/16(火) 7:02配信

withnews

価格競争が激しい缶詰業界にあって、高級路線で勝負を挑み、商機をつかんだ缶詰シリーズがあります。国分グループ本社(東京都中央区)の「K&K缶つま」です。「お酒にあう缶詰」というコンセプトを打ち出し、新たな市場を切り開きました。どのようにして、缶つまは生まれたのか。担当者に聞きました。(朝日新聞記者・岩井建樹)

【画像】あふれ出る高級感がヤバイ ふかひれ・あわび・たらば……『1万円』の缶つまたち

こだわりの素材 平均500円

特徴は素材へのこだわりです。国産の黒豚やホタテなどの高級食材をつかって、酒のつまみにぴったりの料理に仕上げています。そのぶん、値段は平均500円ほど。

「缶つま極 松阪牛大和煮」は5000円、「缶つま極 気仙沼産ふかひれ」は1万円と、驚きの価格の商品もあります。現在71種類あり、売り上げは年約500万個(約30億円)にのぼります。

「安い保存食」から発想転換 「お酒のおつまみ」に

国分グループは、1712年創業の食品卸売会社。加工食品や酒類、菓子、冷凍食品など約60万品目を扱っています。

実は、「缶つま」シリーズが始まる前から、国分グループは高級缶詰をつくっていました。ただ当時は、缶詰は「安い保存食」とみなされ、サバ缶などの定番商品が100円ほどで売られているのが当たり前でした。缶つま開発担当の森寛規さん(32)によると、「当時の高級缶詰は売り上げが伸びず、生産を続けるかどうかの瀬戸際でした」と言います。

やっぱり、缶詰は安くないと売れないのか――。追い込まれた状況のなか、2009年に転機が訪れました。この年に発行された缶詰のおつまみ本「缶つま」(世界文化社)に、当時の開発担当者が「これだ!」。高級缶詰に「酒のおつまみ」というストーリーを加え、一つのシリーズとしてブランド化することを思いつきました。

翌年、元々あった商品を改良したうえで、「広島県産かき燻製(くんせい)油漬け」など14種類を販売。バラバラだったパッケージのデザインも、白を基調に統一し、高級感を演出します。初年度から1億8千万円を売り上げました。森さんは言います。

「商品のコンセプトを酒にあうおつまみ缶詰と明確にし定義してブランド化することで、他社の商品と差別化することができました」

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最終更新:7/16(火) 7:02
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