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ブドウでも「IoT栽培」

7/9(火) 10:55配信

山形新聞

 高畠町馬頭地区でIoT(モノのインターネット)を稲作に活用する実証実験に取り組む東京都のIT企業経営者が、今度はブドウ栽培に乗り出した。開発した自動計測装置を使い、ベテラン農家がブドウを育てているビニールハウス内で温度などを記録し、生育状況との関係性を分析。数値データで最適な栽培方法を示し、生産性の向上や新規就農者の増加につなげる狙いだ。

 第2弾の実験に着手したのはITコンサルタント会社「ウィルド」を営む大越賢治さん(43)。同地区で有機米栽培に励む猪野国雄さん(52)と一緒に2013年から農業体験を企画し、首都圏から年間約100人を馬頭に呼び込んできた。IoTを高品質なコメ生産に役立てようと、昨年には猪野さんの水田に計測装置を設置し、地温や湿度の観測を続けている。

 そんな中、猪野さんから「ブドウ農家に転身して2年目の知人が『おいしいブドウを作れない』と困っている」との相談を受け、大越さんは稲作で培ったIoT技術をブドウ栽培にも生かそうと決心した。

 同町は日本一のデラウェア生産量を誇るが、高齢化などで生産農家は年々減少。多額の初期投資やノウハウ不足などが障壁となり、新規就農者はここ5年で数人ほどという。

 ベテラン農家の経験値を「見える化」するため、栽培歴40年の佐藤満さん(71)=同町馬頭=に協力を依頼した。計測装置をハウス内に取り付けて温度計で室温を測り、超音波センサーでビニールシートの開閉を認識して換気のタイミングも記録する仕組みにした。通信回線でデータを送信し、携帯やパソコンで30分おきに確認できる。

 今後は5年ほど計測を続け、蓄積したデータを人工知能(AI)などで分析する予定という。佐藤さんは「今までは感覚だけが頼りだったが、来年はデータを参考に栽培計画を立てたい」と話す。大越さんは「首都圏では味わえない農産物が高畠にはある。挑戦を楽しみながら持続可能な農業を模索したい」と意気込んでいる。

最終更新:7/9(火) 10:55
山形新聞

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