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【九州から伝えたい】何千人もの命が自分の判断で左右される 豪雨時の自治体対応の難しさ

7/9(火) 10:00配信

九州朝日放送

あなたにはできますか?

何千、何万人の命の行方が自分の判断ひとつで左右されるとしたら…。

しかも、電話やFAXで多くの断片的な情報が絶え間なく入り、それらを精査する余裕もなく。

あなたは正確な選択ができると思いますか?

考えただけでも背筋が凍りそうな場面ですが、毎年、日本のどこかにそうした判断を迫られている人がいます。

究極の判断を迫られた人

大分との県境に位置する福岡県東峰村。村の大部分を山林が覆い、人口約2100人の小さな村です。高齢化率は福岡で最も高く、4割を越えています。

その判断を迫られたのはこの村のトップ澁谷博昭村長です。
2年前の2017年7月5日のことでした。死者・行方不明者が42人に上った九州豪雨、この中に村の住民3人も含まれていたのです。
その日、午後から記録的な豪雨に見舞われた東峰村。川から水が溢れ、道は濁流に覆われました。いたるところで土砂崩れも発生し、土砂で家全体が隠れてしまうほどだったといいます。

そのとき、村長の澁谷さんは役場にいました。大雨による災害が起きる可能性があったため、村のトップとして防災の指揮をとっていたのです。

委ねられた判断

災害が起きそうなときや災害が起きたとき、住民に避難情報を出して逃げてもらうのが、全国の市町村のトップの大きな仕事のひとつです。
気象庁が発表する大雨警報などの情報を元に、住民へ避難を呼びかけるか判断します。当時、澁谷さんにもその判断が迫られていました。
避難情報をいつ出すか。さらに避難情報を出すにしても3つの段階がありました。
一つ目は、災害のリスクが高まってきたとき、最初に出す「避難準備情報」です。高齢者など避難に時間がかかる人に避難を促すものです。
二つ目が、さらに危険が迫ったときに出す「避難勧告」です。対象エリアの住民に速やかな避難を促します。
そして三つ目は最後に出す「避難指示」です。命に関わる危険が迫っているとして、まだ避難できていない住民には一刻も早く避難するよう強く求めるものです。

これらの避難情報を出すタイミングは、自治体のトップ、つまり澁谷さんに委ねられていたのです。

当時、役場には「『家の中に水が入ってきている』とか『助けてください』と電話が来て、役場の職員が外へ出て行った」といいます。さらに、「被災者や、県、各関係機関、当然メディアからの電話もある。その対応でなかなか態勢がとれなかった」といいます。

結局、様々な情報に対応に忙殺され、澁谷村長は避難指示を出すことができなかったのです。

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最終更新:7/9(火) 10:00
九州朝日放送

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