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参院選岡山「豪雨復興」で論戦 被災1年で有権者も防災関心高く

7/9(火) 0:20配信

山陽新聞デジタル

 西日本豪雨の発生から1年の節目を挟んで行われている参院選。岡山県内では甚大な被害を受けた倉敷市真備町地区を中心に約7200人が仮設住宅での生活を余儀なくされ、深い爪痕を残したままだ。岡山選挙区(改選数1)の主要候補は復旧・復興の訴えに力を入れ、21日の投票に向け論戦を繰り広げている。

 倉敷、総社市で豪雨1年の追悼式が営まれた6日。自民党現職の石井正弘氏(73)は遊説先の美咲町でスタッフらと黙とうをささげ、犠牲者を悼んだ。

 先立つ街頭演説で石井氏は「いの一番に訴えたいのは復旧・復興だ。防災・減災のまちづくりを進める」と力説。堤防強化や河川の掘削といったハード整備を軸に「必要な予算を計上したい」と主張を展開する。

 立憲民主党新人の原田謙介氏(33)は、被災地のコミュニティー維持などソフト施策に重点を置く。

 6日、和気町での演説では、遠方からバス通学する被災地の児童を取り上げ「友だちと遊べず寂しがり、母親は家に引きこもらないか心配している。地域のつながりを重視した支援に取り組むべきだ」と強調。9日は枝野幸男党代表と真備町地区で被災者と意見交換する。

 西日本豪雨では、真備町地区を流れる小田川など岡山県内の10河川18カ所の堤防が決壊して被害を拡大した。6月中旬に全決壊箇所の復旧は完了したが、復興は道半ばにある。

 参院選では、各党が防災対策を重視。熊本地震の発生直後だった2016年の前回参院選ではインフラの耐震化や仮設住宅確保といった公約が並んだが、今回はダム再生などの治水対策▽要援護者を含む避難計画の推進▽住民に分かりやすい避難情報の提供―など豪雨で浮上した課題に対応する政策を打ち出している。

 岡山選挙区でも各党幹部が主張を強め、自民党の加藤勝信総務会長は5日に地元の笠岡市であった石井氏の個人演説会で、豪雨を絡めながら「改めて国土強靱(きょうじん)化を進めねばならない」。同日、原田氏の応援で来岡した国民民主党の玉木雄一郎代表も倉敷市内の演説で「防災省という恒久的な組織をつくって対応するべきだ」と声を張り上げた。

 4日の公示前にはまたも南九州を中心とする地域が大雨に見舞われ、有権者の側も防災の訴えに対する関心は高い。

 知人が真備町で被災したという岡山市北区の男性(86)は候補の演説後、「将来世代が被害に遭わないよう、この時期に対策を見直すべきだ。今回は防災の政策を重視して投票先を判断する」。JR総社駅前で演説を聞いた総社市の会社員男性(28)は「(被災企業向けの)グループ補助金などの制度が分かりにくく、支給も時間がかかっている。選挙を通じて支援の在り方が見直されるきっかけになれば」と話した。

 中盤戦に差し掛かった選挙。各候補には、いかに具体性や説得力のある安全安心の道筋を示せるかが問われる。

最終更新:7/9(火) 0:20
山陽新聞デジタル

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