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自筆よりも有効な遺言書、「公正証書」を知っていますか?

7/9(火) 19:30配信

ファイナンシャルフィールド

最近TVのワイドショーで頻繁に取り上げられているのが相続に関すること。また、週刊誌でもよく目にするようになりました。それだけ視聴者・読者に求められているのでしょう。

そんな特集でも度々言われているのは『遺言書』の大切さです。皮肉にも、相続を「争族」と表記するほど、資産継承で揉めるケースが多いのです。

相続診断士として活動している筆者は、そのような話を沢山耳にする機会があるだけに、その度に『遺言書』の大切さが身にしみるのです。

『遺言書の有効性』

遺言書の一番の目的は「遺された相続人・家族が揉めないように、被相続人(財産を残す亡くなった人)が、最後の想いを書面に遺すもの」です。遺言書で遺された内容は、法律で決められた相続割合(法定相続分)よりも優先されます(遺留分は確保されます)。

また、被相続人は「付言」というものをつけることができます。この「付言」は想いです。この「付言」があるのと無いのとでは、残された親族が受ける『遺言書』の印象が大きく変わるのです。残念ながら、多くの相続で「公平性」というものは保てないものです。

例えば、自宅の1つの不動産に対して兄弟姉妹が3人いたり、独身の子供に介護負担が偏ったり、そんな時に想いを残せるのが「付言」です。

『付言』とは“役割相続”を守るもの

争族の原因は「不公平な待遇」です。何を基準に不公平なのかというと、それは人それぞれの想いがあるもの。簡単には決められません。

<ケーススタディー>
兄妹の二人きょうだい。兄は結婚して、東京に住んでいます。子供は2人。奥さんと共働きです。妹は東京で勤めていました。

10年前に父が他界。翌年、母が転倒の際に骨折して以来、すっかり弱ってしまいました。そんなことから、仕事を辞めて田舎に帰省。収入はアパート収入です。今年母が急死。相続対策は何もしていなく、兄と妹で揉めています。

~兄の主張~
自分は田舎に帰る気はない。自宅とアパートを売却し、公平に妹と半分ずつわけたい。

~妹の主張~
兄夫婦は母の介護は何もしなかった。私は10年前、泣く泣く夢を諦めて帰省。いまさら東京へ戻っても何もできない。親が残してくれたアパートの家賃と現在のパートを継続して田舎で暮らしていきたい。兄には、預貯金等を渡したい。そうでないと公平ではない。

立場が変わると「公平」の価値観が変わってしまいます。昭和22年まで続いた「家督相続」では、通常長男1人が相続していました。それでは不公平ということで、「平等相続」に変りました。

しかし、これこそが争族の原因。やはり「役割相続」をしていくことが重要です。残された遺族が役割をジャッチするのは困難なもの。だから、生前に遺言書を残し、付言を添えることが大切となるのです。

被相続人(亡くなった人)が「自宅は、老後一緒に暮らしてくれた娘に。一人で暮らすのが心細かったから、大変助かりましたよ。売るもよし、住み続けるのもよし、狭い家だから好きにしてください。また、仕事も辞めさせてしまったから、せめてもの足しに小さなアパートですが継いでください。預金の1000万円は息子に。自宅とアパートを妹に渡すのを許してね。それぞれに保険は加入していますから、そこから相続税と葬儀費用は折半してください。兄妹仲良く、力を合わせて暮らしてくださいね」 そんな一言が残されているだけで、争うことなく相続が終わるのです。

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最終更新:7/9(火) 19:30
ファイナンシャルフィールド

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