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同級生殺害の中2少年は学校に“人間関係”相談か 臨床心理士が解説する「仲良し」の“ズレ”

7/9(火) 11:30配信

AbemaTIMES

 埼玉県所沢市の中学2年生の少年(13)が同級生に胸などを刺され殺害された事件で、逮捕された少年(14)が取り調べに対し「過去に男子生徒との人間関係について学校に相談していた」という趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材でわかった。

 少年は「隠されて無くなっている教科書について問い詰めたら、否定されけんかになった」などとも話しているという。学校や教育委員会は少年からの相談について確認中としているが、警察は少年が恨みを募らせていた可能性もあるとみて動機を調べている。

 2人が通っていた学校の校長は6日の会見で「一緒に勉強しようという関係なので、仲は良かったのではないか。2人の間のトラブルは把握していない」と述べており、認識にはズレがある。こうした“2人の関係”の見えづらさについて、臨床心理士でスクールカウンセラーも務める明星大学准教授の藤井靖氏は次のように述べる。

 「外からは人間関係が見えにくい中で、実はお互いにネガティブな感情を抱えているということはある。今回の犯行も、最初の段階では『被害者の子が自殺した』と加害者の子が言っていたり、何箇所も刺していることからすると予め思いがあって、衝動的にやろうと思ったことではないと推測される。学校ではトラブルを把握していないということだが、何らかのネガティブな感情が積み重なるような関係性があったのでは」

 今回の事件でいじめがあったかどうかは定かではないが、森田洋司氏が行ったアンケート調査によると、「誰からいじめられたか?」の質問で一番多かったのは「同じクラスの人から」(80%、複数回答)。また、添田晴雄氏の調べでは、「いじめ加害者とはどのような関係か?」との質問に対し最も多かったのは「よく遊んだり話したりする」(47.7%)で、いじめは近い関係で起こっている。

 そうした見えづらい関係への対策について、藤井氏は「本当に(関係を)よくみるとしかいえない」と言及。「学校は生徒が仲良く話したり、一緒に過ごしたりすることの良い面を重視して捉える傾向にある。もちろんそれは悪いことではないが、客観的には良い関係のように見えても、一方が従属しているなどキャラが固定化している関係であったり、その苦しみを誰にも言えなかったりする状況は少なくない」と指摘する。

 また、学校に第三者的な立場として入る藤井氏には生徒から訴えが寄せられることもあるとして、「相談の際は『実はこういう嫌な気持ちをしているんじゃないか』『こういう考えがあるんじゃないか』と疑ってかかるが、こちらから聞いてあげて引き出してあげることが必要。また、生徒自身が嫌だと思っていても『解決はできない』と諦めている場合も多いので、具体的な解決策を提示し、勇気づけることも大事。その上で、学校の関係者を巻き込んで、その人間関係をどうしていくかを組織で対応していくことが求められる。加害者は然るべき罰を受ける必要があるが、子どもの人間関係のひずみは、大人が気づくべき問題の場合もある」と訴えた。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

最終更新:7/10(水) 17:17
AbemaTIMES

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