ここから本文です

男女の性は意外にあやふや Y染色体に載っている遺伝子数は減り続けている

7/10(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【人生100年時代の健康法】

 Y染色体の大きさは、X染色体の3分の1しかないのですから、載っている遺伝子の数の違いもその程度はあると思われる人も多いでしょう。

 ところがそうではないのです。文献によって多少の上下がありますが、アメリカ国立医学図書館のホームページによれば、Y染色体の遺伝子はせいぜい50~60種類。対するX染色体には800~900種類もの遺伝子が載っているそうです。Y染色体は、男性と女性を分ける重要な役割を担っているにもかかわらず、思いのほかスカスカです。

 より詳しい研究によって、男女を分けているのは「SRY」と呼ばれる、たった1種類の遺伝子であることが分かっています。SRYはY染色体上にあって、胎児を男の子として成長させる役割を担っています。染色体の組み合わせがXXなら、SRYがないので女の子になります。

 しかしSRY遺伝子に突然変異が生じて、正常に作動しないことがたまに起こります。すると染色体の組み合わせはXYでも、生まれてくるのは女の子になります。またSRY遺伝子が、X染色体にコピーされてしまうことが、まれに起こります。すると染色体はXXでも、男の子が生まれてくるのです。染色体や遺伝子レベルで見ると、男女の違いは結構あやふやです。

 またY染色体には、以前から「絶滅」の噂があります。進化学者によれば、太古のヒトの祖先では、Y染色体とX染色体は同じくらいの大きさで、それぞれ1000種類ぐらいの遺伝子を持っていたとか。それが何千万年もかけてYのほうが徐々に小さくなり、遺伝子の数も減って、今に至ったらしいのです。

 そしてあと数百万年後には、Y染色体のすべての遺伝子が消滅してしまうと予想しています。これが正しければ、遠い未来に人類は女だけになってしまいます。どんな社会が待っているのか、想像もできません。

 もちろん、あくまでも仮説のひとつですし、そんな遠い未来のことを心配する必要もないでしょう。それより、もっと本気で心配するべきことが、あなたの目の前に迫っています。

 実は現代人の男性の間で、年齢とともにY染色体が消滅していくことが明らかになってきたのです。「Y染色体喪失」と呼ばれる現象です。

(永田宏/長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授)

最終更新:7/10(水) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事