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「もうすぐ休止」「今後どうなる?」 名物・上野動物園モノレール、実際に乗って考えてみた

7/10(水) 11:18配信

ねとらぼ

 東京都交通局は2019年1月23日に「恩賜上野動物園モノレール休止のお知らせ」を発表しました。「モノレールは2019年11月1日から運行を休止する」という内容です。

【写真】日本で唯一、世界でも珍しい「モノレールの踏切」

 理由は車両の老朽化です。新型車両に交代させるとしても、今後は線路側の大規模改修が必要になるとのこと。費用と運賃収入のバランスを考えると、運行再開には慎重にならざるを得ないようです。

 上野動物園の名物といえばパンダ……ですけれど、乗り鉄にとってはモノレールです。上野動物園は公道を境に東園と西園に分かれていて、2つの園を結ぶ乗りものとしてモノレールがあります。所要時間約90秒。距離が短くて遊園地の乗りものみたいですけれど、鉄道事業法に準拠している「鉄道路線」です。だから「日本の鉄道路線に全部乗りたい」と志した乗り鉄さんにとって「乗らなくちゃいけないヤツ」です。

 遊園地の乗りもの、例えば東京ディズニーランドの「ウエスタンリバー鉄道」はどう見ても鉄道ですけれど、鉄道事業法における鉄道ではなく、「遊具」という扱いです。法的にはジェットコースターの仲間です。

 しかし恩賜上野動物園モノレールは「鉄道路線」です。国に届け出ている正式な鉄道路線名は「上野懸垂線」といいます。

 ちなみに、JR舞浜駅とディズニーランド、ディズニーシーを結ぶモノレール「ディズニーリゾートライン」は鉄道路線です。PASMOやSuicaなどICカード乗車券で乗れるし、定期券も販売しています。通学定期券もあって、観光に関する専門学校の実習生が研修に通うために使っているそうです。

 鉄道事業法は「専用の線路設備を使って、他人のためにヒトやモノを運ぶ事業は鉄道事業」という主旨です。この「運ぶ」が重要。ウエスタンリバー鉄道は駅が1つ。つまり同じ場所に戻ってくるため運んではいません。しかし、上野動物園の場合は、東園と西園に敷地が分かれ、間に公道があります。この公道はかつて都電の線路でした。つまり、上野動物園のモノレールは園内の乗りものではなく、いったん外に出て、別の場所に「運ぶ」乗りものです。

 モノレールという仕組みは鉄道ではなさそうに見えます。しかし「専用の線路設備を使って」の線路設備にあたります。だから羽田空港に行く東京モノレールも鉄道です。ケーブルカーも鉄道。バスも公道ではなく専用の道路を走れば、法的には鉄道事業として扱われる場合があります。例えば、立山黒部アルペンルートの立山トンネルトロリーバス(立山黒部貫光無軌条電車線)は鉄道事業です。スキーのリフトやロープウェイも広い意味では鉄道ですけれど、法的には「索道(さくどう)」というカテゴリーとなります。

 話を戻しますね。上野動物園モノレール休止のニュースは乗り鉄だけではなく、上野動物園に親しんだ人々からも注目されました。なにしろ開業は1957(昭和32)年です。60年以上も走り続けており、小さなお友達だけではなく、その父母、祖父母にとっても思い出の路線でした。

 くしくも、休止予定が発表された1月23日の翌日、24日に車両故障が発生し、モノレールは運休してしまいました。嫌な予感がしました。「自家用車ユーザーあるある」の「長年乗ったクルマを手放そうとしたら故障するパターン」です。鉄道車両でも、故障して修理されずにそのまま廃車、という事例があります。上野動物園モノレールは車両が1編成しかありませんから、車両が修理できないなら運休、そのまま廃止になりそう。ましてや休止の方針が決まっていますから、このまま廃止かも……と。

 そう心配していたら、故障部分が走行装置のベアリングと判明し、修理が実施。3月11日に走行試験、同15日には営業運行を再開しました。東京都交通局さんありがとう。人々に親しまれているモノレール、休止前に乗りたいという願いに応えてくださいました。しかし、2019年11月1日で休止、運行は10月31日まで。この現実は変わりません。

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最終更新:7/10(水) 18:35
ねとらぼ

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