ここから本文です

“リケジョ”作る「消しゴムはんこ」が話題 “生態学”をベースに緻密に再現

7/10(水) 6:30配信

オリコン

 “リケジョ”の「消しゴムはんこ」作家として話題の京楽堂さん。理科の講師としても活動しており、その専門知識を活かした作品を制作している。惑星といったスケールの大きなものから、鉱物、生命、元素というミクロの世界までも表現、写実的で繊細な作りが特徴だ。そんな京楽堂さんに、「消しゴムはんこ」との出会いや、その魅力、こだわりなどを聞いた。

【写真】再現度が半端ない“グソクムシ”から、デフォルメされた可愛い“メンダコ”まで 「消しゴムはんこ」作品集

■モチーフはシアノバクテリアやグソクムシ…、特徴を把握した上で制作

――「消しゴムはんこ」を作ろうと思ったきっかけは何ですか?

中学生のころ、友人の小刀が偶然、私の消しゴムに刺さってしまいました。試しにその小刀で消しゴムを彫ってみると、サクサク削れていく感覚が心地よく、消しゴムを彫るのに夢中になっていました。その後、学校の先生が提出物などに捺すオリジナルはんこをリクエストしてくれるようになり、人のためにはんこを彫る楽しみを知りました。そのときの感覚が現在の制作の原点になっています。

――“京楽堂”というペンネームの由来は何ですか?

今日(京)を楽しく(楽)過ごせるような、はんこをつくるところ(堂)という意味で、中学生のときに友人がつけてくれました。

――理科の講師としての知識を活かして、図柄を考えているとのことですが。

シアノバクテリアや、グソクムシのような珍しいモチーフを扱えるのは、基礎生物学のバックグラウンドがあってこそだと思います。クラゲのような身近なモチーフでも、具体的な生物種を取り上げるようにしています。また、ただ単にシャチやイルカを可愛く彫るのではなく、生態学をベースに、その食性にからめて表現しています。生物を外形のイメージのみで描くのではなく、骨格や特異な器官など、特徴を把握した上で描画しています。

――先日出版された書籍『京楽堂の消しゴムはんこコレクション 星屑のかけらを彫る』では、「惑星・鉱物・太古の生物と海・生命・花火と金魚・元素」がモチーフとありましたが。

学生時代、鳥が好きで生物学の道へ進みましたが、結果として研究室ではバクテリアを扱いました。そこで、顕微鏡を用いて肉眼では見えない世界に触れました。また、宇宙規模、地球規模、はたまた原子レベルの世界にも触れ、同じものを観察していても、見る目のスケールで対象物は大きく姿を変えるということに気がつきました。その視点を意識し、惑星という巨大なスケールからはじまり、元素という小さなスケールに向かう構成にしました。

――これまでに反響があった作品はどんなものですか。

宝石のカットを彫った、Jewelという作品シリーズです。「まるで本物の宝石のよう」「消しゴムはんことは思えない」などのお声をいただき、複数のWEBニュースに取り上げられ、それが海外のサイトにも波及したため、今まで接することのなかった海外の方のお声も頂くことができました。

――作品制作において、影響を受けた人はいますか?

作品制作の中で、全ての基本になるのは、自分の彫りたいものは何か、はじめに見極める観察眼だと思っています。それを一番養ってくださったのは、大学時代に解剖学実習でお世話になった先生です。形、色、質感、組成、規則性など…、様々な角度から対象を捉える訓練と、それをアウトプットする方法の基礎を教えていただきました。

1/2ページ

最終更新:7/13(土) 4:25
オリコン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事