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「地域の力、きらり光る企業」(7)〈菊浜〉=地場密着型ステンレスCC志向

7/10(水) 6:07配信

鉄鋼新聞

 ステンレスコイルセンターの菊浜は、ステンレスの一大産地である山口県周南市に本社を置く。1963年に初代・石丸無敵氏が日新製鋼周南製鋼所(現日鉄ステンレス周南製鋼所)向け耐火レンガなどの窒業を主業に菊浜工業所を設立。75年から日新製鋼のステンレス薄板の販売を開始した。業容を拡大する中で、2014年には広島市安佐北区の中国研磨(現広島支店)と合併し、金属サイン向け研磨事業を内製化。同時に現社名へ改称した。
 本社工場には広幅・狭幅のスリッター、レベラーを2基ずつ保有し、板厚0・3~2・0ミリがメイン。自動車用鋼板(マフラー材向け)をはじめ、住宅建材向けを切断加工するなど受託加工含め月産は1300~1500トンに上る。現有設備が稼働開始から10~30年経過しており、老朽化対策として設備保全・修繕活動を推進することで生産基盤強化を図る。
 自動車のEV化は2025年が転換点といわれ、今後はマフラー材などの金属使用率減少やボディー材のアルミ・樹脂化の進行が予測される。過渡期を迎える中で石丸社長は「今後を見据えてステンレス素材の違う市場を作るのが、我々の仕事だ」と語る。従来の消費材向け加工に軸足を置きながら、今後も伸長が見込まれる国内インフラ需要を捕捉するべく厚物加工にも取り組みたい意向。大阪以西にアルミ材専門のコイルセンターが存在しないことから、非鉄分野への投資も視野に入れる。
 設立当初から二人三脚で歩んできた周南製鋼所が一大ステンレスメーカーに組み込まれ、流通再編など今後は事業環境の大きな変化があると予測する。一方でコイルセンターとしての機能は不変とし「ゼロベースから実績を積み上げ、メーカー、ユーザーが求めるニーズにアンテナを張りながら、自分たちの役割を探さねばならない」(石丸社長)。
 子会社で製缶事業を営む菊浜エンジニアリングが納めるボイラー業者など大手顧客に対して、高炉メーカーに帯同して営業に回り、メンテナンスフリーの高機能材への転換提案にも注力する。「メーカーと一緒に回ることで、客先の印象も変わる」(同)と自信を深めている。
 今後の事業継続の中で、地方経済圏での人手不足は懸念材料。競合する同業者間で設備の補完性を高めながら、母材の共通化などを進めている。(小田 琢哉)
会社データ▽創業=1963年▽本社=山口県周南市新田2―7―53▽社長=石丸朋文氏▽資本金=2千万円▽売上高=48億円(19年3月期)、菊浜グループ53億6千万円▽従業員数=34人▽主力事業=ステンレスコイルセンター
 経済産業省が選定する「地域未来牽引企業」のうち、鉄鋼・非鉄金属関連の企業を紹介します。(水曜日掲載)

最終更新:7/10(水) 6:07
鉄鋼新聞

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