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「日韓問題」東芝メモリには“追い風”、自動車は“冷や水”

7/10(水) 10:21配信

ニュースイッチ

 日韓関係の冷え込みが続く。日本は韓国に対し、半導体などの材料3品目の輸出規制を強化する措置を発動した。さらに信頼できる輸出先として指定する「ホワイト国」から韓国を外す追加措置も検討する。日本にとって韓国は中国、米国に次ぐ貿易相手国だが、実施されれば工作機械などの輸出で政府の許可が必要になる。日本の企業は世界市場でも韓国企業と競い合うことが多く、日韓対立は産業界にもさまざまな影響を及ぼしそうだ。

政治リスクに翻弄の半導体メモリー

 NAND型フラッシュメモリー世界首位の韓国・サムスン電子が失速するようなら、同2位の東芝メモリにとって追い風となりそうだ。同じくサムスンが手がけるDRAM生産の減速は、米マイクロン・テクノロジーの広島工場(広島県東広島市)の稼働にも影響を与える。

 今回の輸出管理の強化はフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素が対象。4日から日本企業は個別契約ごとに申請することが義務化された。韓国はそれらの材料を日本からの輸入に強く依存しており、輸入が滞ればハイテク産業は大きな打撃を受ける。

 ただ、「輸出規制のインパクトはその期間による」(韓国半導体関係者)と即効性は薄い。半導体メモリー価格は2018年後半から低迷しており、短期的には各社の在庫削減と価格上昇という市況改善効果の方が先行しそう。在庫が適正水準まで落ちた後は、日米勢の商機が広がる。

 政治状況次第で規制の行方は見通しづらい。米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の新商品発売を19年末に控え、同社の事業計画に悪影響を及ぼす化学品の輸出規制を米国政府が許容し続けるかは不透明だ。その米国による中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)への輸出禁止措置も先が読めず、最近の半導体メモリー業界は肥大化する政治リスクに翻弄(ほんろう)されている。

電子部品は無風?

 電子部品業界では半導体材料の対韓輸出規制に関して、現時点で影響はなさそうだ。TDKは韓国に車載向けやスマートフォンなどの情報通信技術(ICT)向けにフェライトコアとコイルの生産拠点と営業拠点がそれぞれある。韓国市場向けにも提供しているが、担当者は「現時点での影響はない」とする。

 太陽誘電も韓国に車載・産機向けの積層セラミックコンデンサー(MLCC)の生産拠点と営業拠点がある。営業拠点は韓国内外で取引をしているが、「具体的な影響はない」(担当者)としている。

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最終更新:7/10(水) 10:21
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