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「20代後半、仕事をやめようと思っていた」中川翔子の吐露に、小林幸子「50代が一番楽しい」。ポケモン主題歌に支えられた日々

7/10(水) 18:14配信

BuzzFeed Japan

1998年公開され、子供たちに衝撃を与えたポケモン映画シリーズ第1作『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 』が、21年の時を超え『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』としてフル3DCGで帰ってくる。その主題歌『風といっしょに』を小林幸子と中川翔子が歌う。もともと1998年公開の際にも同曲は主題歌に採用され、演歌歌手の小林が歌い上げたことが話題になった。時代も価値観も変わった21年の歳月。2人はどんな風に年齢を重ねたのだろうか? それも競争の激しい芸能界という世界で――。【BuzzFeed Japan / 嘉島唯】

中川翔子の思い出が物語になった『風といっしょに』とは?【動画】

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――小林さんは、演歌歌手のイメージが強かったのですが、ニコニコ動画に降臨してからボブサップとプロレスしたり……幅が広いなと。

小林:あはは(笑)。そうね。今やプロレスまでやってますし。でも、同じ話で言うと、21年前にポケモンと関わらせていただいたのもすごく驚きましたから。「え? 私でいいの?」みたいな。

――演歌歌手ですもんね。紅白のイメージが強いっていうか。

小林:そうそう。どうやら、お茶の間でおじいちゃま、おばあちゃま世代から子供まで3世代で「小林幸子」の名前が浸透していたっていうのが、きっかけらしいんです。演歌を歌っているだけでは、通り過ぎていってしまう子供たちが私の歌を聴いてくれるのが嬉しかった。歌詞もすごくいいの。

でも、『風といっしょに』は、オーケストラがバックにいる、それまで歌ったことないメロディでした。だから声楽を習いに行って、それまでとは違う歌い方を勉強しました。「声は目から出すんです!」って言われて驚いちゃった。

――抵抗はなかったんですか? 演歌歌手としてのキャリアが長いだけに。

小林:それはなかった。声楽はこうだって言われたら、やっぱりそうなので。『風といっしょに』は自分がやってきた演歌とは違う世界のもの。ひきだしが増えた感じ。それを自分なりに融合して歌う。

中川:柔軟性!

小林:確かにそうかもしれない。私は、基本的に否定はしないスタンスかも。

――歳を重ねていった時、新しいことを示された瞬間に「最近の若いやつは」といじけそうで怖いです……。

中川:わかる……。幸子様はすごい。ニコニコ動画で「ラスボス」って言われても、笑顔で受け止めて楽しんでいて、すごすぎると思ってましたもん。どうしてそんなに柔軟性があるんだろう?って。

小林:演歌歌手という思い込みを捨てること……かな。私も仕事はこれでも選んでるんですけど(笑)、面白いなって思うことをやらせてもらってますね。

そもそも演歌歌手だと思いこんでいたら『風といっしょに』も歌ってないでしょうし。ラスボスって言葉も知らなかったのよ。ニコニコ動画っていう存在も。まぁでも面白そうだしやってみようか~と現場に入ったら、私が知っているスタジオの4分の1くらいの広さで……。どうしよう、撮れるのかしらって思ったの。

小林:実際、配信すると画面がコメントで埋まって自分の姿が全然見えない。意味がわかりませんでしたよ(笑)。「ラスボスって呼んでいいですか?」と突然聞かれて、よくわからないけど快諾して。後でスタッフから「ラスボスはゲームの最後に出てくる最強の悪いボスのことです」って教えてもらって「なんで!?」と叫んじゃったわよ。でも、みんなが楽しいなら、まぁいいかって。

中川:「まぁいいっか」ってすごい。

小林:使うと楽になるのよ。おすすめ。私も人間だから苛立ちを覚えることもあるんですけど、誰かを攻撃するのって、生産性がないし時間の無駄なの。だから、「まぁいいっか」って笑って受け入れる。

中川:「まぁいいっか」っていう柔らかさは今の時代本当に大事。しかも結局「ラスボス」がいつの間にか「敬意を表する」という意味に転じるという謎の変化が起きましたよね。すごい。

小林:全部ひっくるめて、ネットの人が私のこと面白がってるんだからいいじゃん。楽しいってなりましたね。

――プライドが傷ついたりしないんですか?

小林:うーん……すぐに揺らぐプライドなんていらない。「自分はこういう人間」とか「こう見られたい」という気持ちって、プライドではなく見栄なんですよ。見栄で自分を縛っていることってすごく多い。

仕事に矜持を持つことと、見栄をはっていることは違う。自分に対する思い込みを捨てると……ボブサップとも戦える(笑)。

中川:いろんなことを否定しないで、面白そうって見てくれる。コミケにも参戦してくださって。

小林:コミケは面白かったねぇ……。びっくりしたけど。人がいっぱいくるの! 熱い熱い! 私もテンションが上っちゃって「最高だね~」って笑ってたら、女の子たちが「コスプレの女王!」って歓声送ってくれてね。たしかにステージで派手な格好してるからね。慧眼でしたよ。

中川:まさかテレビの中でキラッキラな幸子様がこっちに降りてくるなんてみんな思ってなかった。

私は、それこそ中学時代は、1人で絵を描いていると「キモい」って笑われたり、陰口を言われたりしたから。

――00年代前半までは、中学生になったら「ゲームもマンガも卒業しなさい」という風潮ありましたよね。

中川:そう。だから、幸子様みたいな人がこっちの方にやってきてくださるのは、本当に尊かった。

私、それこそ『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』を当時リアルタイムで観ていて、初めて感動の涙を流したんです。悔しいとか悲しい涙じゃなくて、感動の涙。その体験って本当に幸福そのものだったんですね。

中川:ポケモンのゲームを買ってもらったのは、その後他界してしまった父と一緒に行った街のおもちゃ屋さん。そういう思い出もあるからゲームとかアニメを「好きではなくなる」のが無理だった。

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最終更新:7/10(水) 18:14
BuzzFeed Japan

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