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建売住宅で販売攻勢 石川、富山のメーカー 消費増税の駆け込み狙う

7/10(水) 0:54配信

北國新聞社

 10月の消費税率10%への引き上げまで3カ月を切り、石川、富山の住宅メーカーが建売住宅の販売攻勢を掛けている。建売住宅は9月いっぱいの購入まで税率8%が適用となるため、消費増税の駆け込み需要の取り込みを狙う。各社はバラエティーに富んだ一押しの住宅を人気エリアに数多く投入し、10月以降の反動減も見据えて増税前の売り込みに注力する。

 消費税は商品を引き渡す際に原則、課される。建売住宅は9月末までに購入すれば消費税率8%が適用される利点がある。契約から完成までに時間がかかる注文住宅は3月末までに契約すれば、引き渡しが10月を過ぎても消費税率8%が維持されていた。

 ひまわりほーむ(金沢市)は今年に入ってから、同市内に建売住宅10棟を相次いで建てた。既に例年の2倍近い数だ。立地は瑞樹団地6棟、横川2棟、米泉町2棟と、いずれも生活の利便性が高い人気エリアで、同社は昨年から土地を仕入れ増税に備えていた。

 全棟が全国で最も厳しい北海道の省エネ基準を満たしており、瑞樹団地の1棟、米泉町の2棟は既に買い手がついた。加葉田和夫社長は「本格的に営業を始めたのは今月からなのに駆け込み需要は予想以上にある」と手応えを語った。

 特徴ある建売住宅の販売に力を入れているのは北陸ミサワホーム(金沢市)だ。4月までに、北陸三県に9棟を建てた。敷地面積32坪のコンパクトな省エネ住宅や、IoT(モノのインターネット)技術を活用したハイテクな住まいなどを提案している。

 日銀金沢支店によると、5月の新設住宅着工戸数で、建売住宅やマンションを含む「分譲」は前年同月に比べて59・3%増えた。3月は102・9%増、4月は86・8%増と高水準で、主力の「持ち家」の3~5月の10・1~20・7%増に比べて伸び率が際立つ。分譲の内訳をみると、建売の比率が4月約6割、5月約8割と着工数の増加を示している。

 オダケホーム(射水市)は9月末までに引き渡せるモデルハウスを19棟用意した。従来より多い数で、「消費税率8%で購入できる」とチラシなどに記載して需要発掘に努める。

 一方で、住宅関係者によると、建売住宅を重視した販売戦略にはリスクもつきまとう。買い手がつかないと、販売価格の値下げを余儀なくされ、ようやく売れた時には利益を確保できないケースもあるからだ。

 こうしたリスクを避けるため、一部の住宅メーカーの中には、増税後を見据えた動きも出ている。

 ニューハウス工業(金沢市)は20日から、注文住宅を通常より1割ほど安くするキャンペーンを始める。住宅設備などを手掛け、富山県に生産拠点を置くYKK AP(東京)は10月以降の引き渡し物件が対象の「次世代住宅ポイント制度」に商機があるとして、自社ホームページを通じて提案している。

北國新聞社

最終更新:7/10(水) 0:54
北國新聞社

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