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ちあきなおみ、復帰画策も幻の歌となった「象物語」主題歌 レコード会社業界の力学が働いた?

7/11(木) 16:56配信

夕刊フジ

 【ちあきなおみ 50年目の真実】

 ちあきなおみは映画『象物語』のサントラ盤とシングル盤で復帰を計画したが、移籍先のCBSソニーが突然「ちあきのシングル盤を断念」と発表したのである。会社側はあくまで「家庭内などの問題で迷惑をかけたくないという、ちあき側の申し入れを受け入れた」と原因はちあき側にあると説明。

 『象物語』のマスコミ向け試写会は1980年2月4日に開かれた。内容はケニアを舞台に母を亡くした小象兄妹が、密猟者の迫害を受けながらも、たくましく生き抜く姿を描くドキュメンタリー。監督は蔵原惟二、ナレーションは岡田英治。

 記者たちはサントラから流れるエキゾチックで風変わりな、ちあきの歌を聴いた。ところが「シングル盤は黛ジュンに変更した」という。集まった記者から突っ込んだ質問が飛び、CBSソニーは交代劇について苦しそうにこう説明している。

 「ちあきの歌唱は映画主題歌では面白いが、シングル盤は発売するには重く、プロモート的には不向きと判断。全く別のイメージソングとして、主題歌は母性、シングルは男と女の世界をテーマに置き換える展開が必要。そのため、1種類の歌が必要となった」

 このとき、ちあきの事務所は「サントラということで録音したが、シングル発売については最初から聞いていない。ちあきは、あくまで主婦。復帰は考えていない」と答えている。

 『象物語』のシングル盤『風の大地の子守唄』は急遽、黛がレコーディング。ソニーも、しばらくヒット曲のない黛をイメージチェンジさせてプロモーションさせた。衣装はノーブラ、腕を上げると太ももが大胆に露出する派手なものだった。

 急いでプレスしたため、初回7万枚のうち5000枚にミスがあり「A面・黛/B面・ちあき」という珍事が起きた。黛側から訴えがあり急いで回収したが 数千枚がファンの手に渡ってしまったのである。

 黛のレコードはまずまずの売り上げとなったが、ちあきのサントラ盤は幻の歌となって消えた。なぜか、ちあきはソニーではレコードを1枚も出さずに退社。

 当時はあまり報道されなかったが、最近になって関係者は「実は、あの事件の実態はレコード会社業界の力学が働いた」と明かすようになった。(フリーライター・中野信行)

 ■ちあき・なおみ 本名・瀬川三恵子。1947年9月17日生まれ、71歳。東京都出身。69年に『雨に濡れた慕情』で歌手デビュー。72年の『喝采』で第14回日本レコード大賞を受賞し、80万枚の大ヒットとなる。78年に日活のアクションスター、郷えい治さんと結婚したが、92年9月11日に郷さんは55歳で他界。夫の「もう無理して歌わなくてもいいよ」の遺言を守り続け約27年間、一切の芸能活動を休止したまま今日に至る。

最終更新:7/11(木) 16:56
夕刊フジ

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