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タイヤの設計開発期間を数カ月短縮、TOYO TIREの設計基盤「T-MODE」はAIを融合

7/11(木) 12:10配信

MONOist

 TOYO TIREは2019年7月9日、東京都内で会見を開き、AI(人工知能)技術を融合した新たなタイヤ設計基盤技術「T-MODE」を発表した。「タイヤの設計開発にかかっていた期間を数カ月単位で短縮できる」(同社 執行役員 技術開発本部長 商品開発本部長の守屋学氏)としており、2019年末から同社内での本格的な運用を開始する方針である。

 同年1月に東洋ゴム工業から社名を変更した同社だが、タイヤの設計開発プロセスにおけるシミュレーション活用では長い歴史がある。1987年には、国内タイヤメーカーとして始めてスーパーコンピュータを導入し、1988年には「DSOC」と呼ぶ動的シミュレーション最適化タイヤ設計理論を発表している。そして2000年には、タイヤ解析と車両解析の両方に対応するシミュレーション基盤技術となる「T-mode」を発表している。

 守屋氏は「約20年にわたってこのT-modeをフル活用してきたが、いわゆる“CASE”の到来で新たな進化が求められるようになっている。そこで、AI技術を導入することにより、新たなT-MODEの開発に至った」と述べる。

タイヤ解析のシミュレーションソフトウェアを自社開発

 T-MODEは、長年活用してきたT-modeのシミュレーション基盤技術と、2019年に導入した第6世代HPCシステム、設計者がタイヤの設計開発を行うのに必要な設計支援技術、そしてCADなどの設計データやさまざまなシミュレーションのデータ、実験データなどを統合、管理する「SPDM(Simulation Process and Data Management)」から構成されている。

 従来のT-modeで競合他社にない特徴になっていたのが、タイヤ解析に特化した自社開発のシミュレーションソフトウェアだ。現在、同ソフトウェアは複数のプロセッサコアによる並列処理にも対応しており、新たに導入した第6世代HPCシステムにより従来比で約4倍の処理能力を発揮する。例えば、タイヤ表面形状の構造解析であれば、従来は2次元データから模擬的に作成した3次元データを用いて解析を行っていたが、新たなT-MODEではタイヤ表面形状を忠実に再現した3次元データを用いた解析が可能になった。

 また、2018年5月に発表した空力特性の高いタイヤを開発するための「モビリティ・エアロダイナミクス技術」をさらに進化させており、タイヤの接地、変形、回転を考慮した車両全体の空力特性の予測も実現している。2019年度末には、車両とタイヤを含めて達成できるWLTCモード燃費を提案できるようにしていく方針だ。

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最終更新:7/11(木) 12:10
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