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日本生まれ、日本育ち。それでも退去しないとだめですか 「不法滞在」と呼ばれる外国人たちの叫び

7/11(木) 11:37配信

GLOBE+

人手不足を背景に外国人労働者の受け入れが進む日本。一方、この国で育ち、言葉も文化も身につけながら、「不法滞在」とされる人たちがいる。彼らは故郷に貢献することも許されないのか。(浅倉拓也)

かんたんには帰れない

アプルエボ・ケネス・ローレンス(21)は日本で生まれ、自分は日本人だと思って育ってきた。しかし15歳の時、東京入国管理局から母親と一緒に日本を出るよう命じられた。

ガーナ人らしい父親は生まれた時にはいなかった。母親は1995年に来日したフィリピン人。超過滞在(オーバーステイ)だったが、日本人男性と再婚して在留資格を得た。だが、男性が病気で亡くなると、母子ともに在留資格は更新されず、「不法滞在」になった。

母は野菜の加工場などで働いて一人息子を育ててきた。ローレンスはいじめなどに遭って不登校になった時期もあったが、10代半ばで自分を変えようと決意。いまは夜間中学で学び、生徒会長も務める。母子は退去強制の取り消しを求めて東京地裁に訴えたが、昨年末に「処分は社会通念に照らして著しく妥当性を欠くとは言えない」と退けられ、今年4月、控訴も棄却された。

政府がいま進めている外国人材の受け入れ拡大について、ローレンスの思いは複雑だ。「すでに日本にいる外国人にも目を向けてほしい。僕たちのことが見えないのか、それとも見ないようにしているのか……」

80~90年代のバブル期、超過滞在で働く外国人たちは事実上、黙認されていた。しかし景気が後退し、一方で日系人や技能実習生らの合法的な受け入れが始まると、不法滞在者の取り締まりは厳しくなった。

ただ、退去命令を受けても簡単には帰れない人たちもいる。日本で子どもが育った家庭の多くもそうだ。こうした子どもたちは10代後半~20代となり、将来を見通せずにいる。日本人と同じように暮らしているのに、彼らはあくまで入管施設への収容を一時的に免れている「仮放免」。アルバイトもできないし、健康保険にも入れない。

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最終更新:7/11(木) 14:46
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