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クロスにクローにアームロック。パターはどうやって握るのが正解? パットのグリップ「握り方」を考える

7/11(木) 6:31配信

みんなのゴルフダイジェスト

「パターに型なし」と言われるように、パッティングはショットと比べるとスタイルのバリエーションが非常に広い。クラブの形状もさまざまだし、ストロークのスタイルもいろいろ。そしてグリップの握りも選手によって大きく異なるが、その背景と歴史を紐解いた。

アンカリング規制が“異形グリップ”の増加を生んだ!?

近年、ツアー選手を中心に異様なグリップでパターを持つ選手が増えてきている。ジョーダン・スピースに代表される「クロスハンドグリップ」をはじめ、ジャスティン・ローズやセルヒオ・ガルシアのような「クローグリップ」、ブライソン・デシャンボーやマット・クーチャーのような「アームロックグリップ」などがそれで、ショットのグリップと比べると、実に多彩だ。

こういった「異形」グリップ自体はとくに最近生まれたものではなく、古くはベルンハルト・ランガーや尾崎直道らがアームロックで活躍したし、クリス・ディマルコなども2000年ごろからクローグリップを採用していた。

しかし近年、アームロックやクローグリップを採用する選手が増えてきていることは確かで、USPGAツアーなどでは、オーソドックスな順手グリップをしている選手のほうが少数派に感じるほどだ。

その背景には、グリーンの高速化と、2016年から「アンカリング」が禁止されたことがあると、米ツアーに詳しい永井延宏プロは話す。

「コースメンテナンス技術の向上や芝の改良などで、近年、ツアーのグリーンはどんどん高速化しています。そして超高速化したグリーンでタッチを合わせるためにひじから先の感覚がシビアになっていくと、イップスのように“手が動かない”悩みを抱えるプロが増えてきます。長尺パターによるアンカリングは、パッティングストロークを“振り子化”して機械化し、手先の感覚を消すことでそういった症状を軽減する効果がありましたが、それが禁止されたことによって、異形グリップに解決策を求めるプロが増えたのだと思います」(永井)

実際、異形グリップの先駆者たるランガーやディマルコが、高速グリーンの代名詞であるマスターズに強い選手だったことはそれを象徴していると永井プロ。

では、それぞれのグリップにはどんな特徴とメリットがあるのだろうか。

「アームロックは、ひじから先の感覚を消して機械的にストロークしやすいという点で、長尺パターに近いイメージだと思います。左前腕とパターを一体化して動かすため、パッティングの感性を司るひじから先をまったく使わず、体幹の動きだけで振り子のようにストロークできます。ただし難点は、道具の問題でしょうか」(永井プロ)

アームロックでストロークするには、前腕に沿わせられる長いグリップが必要で、重量も一般的なパターよりもかなり重めのものがよい。また、アームロックで構えるとハンドファーストになりロフトが立つので、ロフトが多めであることも重要だ。その意味では、しっくりくるアームロック用パターに出合えるかどうかが重要と言えそうだ。

「クローグリップは、実は大きく分けて2タイプあります。ディマルコのスタイルを踏襲するタイプは、インパクト後に右肩を押し込むようにしてフォローを出していきます。こういったタイプは、フォローをナチュラルアッパーに出しやすくロフトをうまく保って打てるので、高速グリーンでもタッチを出しやすいと思います。ジャスティン・ローズなどはこのタイプですね。

一方、同じようなクローグリップでも、右肩のポジションを動かさずにストロークするタイプもいます。セルヒオ・ガルシアなどがこのタイプ。こちらはより長尺的というか、振り子的なストロークなのでタッチは出にくいでしょうが、より機械的にストロークしやすいと思います。慣性モーメントの大きい大型ヘッドパターとの相性もいいのが特徴ですね」(永井プロ)

最近では、アームロックパターをさらにクローグリップで持つ選手もいるが、こういったタイプはより極端に手先を殺して振り子的にストロークしたいのだろうと永井プロ。

クローグリップは、普通のパターでも実践可能なので、手持ちのパターで「振り子感」を強めてストロークしたい場合は、ガルシア的な「振り子クロー」がいいかもしれない。

「クロスハンドグリップは、フェースの開閉を抑えてフェースをタテに使ってストロークしやすいのが特徴です。そのためフェースバランスのパターとの相性がよく、2メートル以内のショートパットは得意でしょうが、ロングパットのタッチは出しにくいかもしれません」(永井プロ)

どのグリップも、方向性やタッチを身につけるには一定の練習が必要だが、キーガン・ブラッドリーのように、アンカリングの禁止で調子を落としシード喪失までしてしまった選手が、アームロック&クローの採用で復活優勝を遂げた例もある。

パッティングの調子が悪いとか、イップスの気配がある人にとっては、試してみる価値がありそうだ。

みんなのゴルフダイジェスト編集部

最終更新:7/11(木) 6:31
みんなのゴルフダイジェスト

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