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芸人「闇営業」脱税を巡る問題 (1)  「源泉徴収義務」は果たされたのか? 納税で見落としがちな点を解説

7/11(木) 12:04配信

マネーの達人

吉本興業所属の芸人を巡る「闇営業」問題は、反社会的勢力と関与したことが原因で10人を超える芸人が謹慎・活動禁止処分となり、一般紙でも報道されるようになりました。

当初は1人契約解消、他数人の芸人が疑惑の釈明に追われただけで週刊誌やワイドショー中心の報道でしたが、この段階から闇営業のギャラに関して脱税の問題があるのではとネットでは問題視されていました。

このため、すでにネットではブログなどで複数の解説記事があります。

闇営業が「所属事務所を通さずに行う営業」という副業的なものを意味しているせいか、20万円以下の申告不要制度について言及しているものもありますが、実態から行くと違うのではないかなと思われる解説もちらほらと見られます。

また国税当局の動きについては、一般にあまり知られていない方向性もあると感じたので、この点について今回触れたいと思います。20万円ルールについては続編(2)で触れます。

7月に入って、闇営業のギャラについて修正申告を行ったと所属事務所より発表された芸人もおり(吉本所属ではありませんが)、闇営業と税務申告を巡る問題が今後大きくなる可能性もあります。

税務調査で源泉徴収漏れが発覚するとペナルティも

吉本興業に払われたギャラの9割は会社が持っていき、1割だけ芸人個人に払われさらに10%(つまり1%)は所得税が天引き(源泉徴収)されるので、手取りは9%分だけ…このような趣旨の話を暴露した吉本芸人がいるようです。

9割所属事務所が持っていくことに関しての批判もありますが、ここで言いたいのは所得税の源泉徴収義務を果たすことの重要性です。

源泉徴収制度は、フランスでは2019年からようやく始まった制度ですが、日本では長らく根付いてきた制度です。

闇営業の会合出演であっても芸能活動の報酬は、所得税法で定める「映画、演劇その他芸能又はラジオ放送やテレビジョン放送の出演や演出又は企画の報酬・料金」に該当し、10.21%(100万円以下の部分)または20.42%(100万円超の部分)で源泉徴収しなければいけません。

もしここで源泉徴収を行って国に税金(源泉所得税)を納める義務を果たさないとなると、未納になるのは芸人個人の所得税ですが、支払者が不納付犯または不徴収犯として責任を問われますし罰則もあります。

法人税の優遇がある公益法人や宗教法人であっても、税務調査で源泉所得税は重点調査される税目です。

また自治体も法人格を持った源泉徴収義務者であり、ちょうど問題の闇営業会合が行われたとされる平成26年には、建築士など個人事業主に払った報酬に対し「源泉所得税の徴収漏れ」を発表しお詫びした自治体が相次ぎました。

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最終更新:7/11(木) 12:04
マネーの達人

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