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息子亡くした両親「過労死のない社会に」 熊本市で14年自殺 涙をこらえ会見

7/11(木) 12:06配信

西日本新聞

 2014年に自殺し、過重労働だったとして労災認定された男性会社員=当時(34)=の両親が10日、熊本市中央区の県弁護士会館で記者会見し、「過労死のない社会になってほしい」と訴えた。2人は息子の勤務先を相手取り熊本地裁に提訴し、5月に和解したばかり。「同じ境遇で苦しむ人たちに経験を役立ててほしい」と公の場に立った。

 両親によると、男性は同市の工事会社に勤務。昇進するにつれて急な呼び出しや深夜業務が増え、県内で同居していた両親に「体力の限界」「死んだ方がまし」と口にするようになり、14年5月28日未明、市内のホテルで自殺したという。

 同年6月、両親は熊本労働基準監督署に労災申請。男性のタイムカードには月100時間を超える時間外労働が数カ月にわたり記録されていたが、会社側は「サボっていた」「自主的に休日出勤していた」などと主張。いったんは棄却されたが、最終的に再審査請求で「精神障害の発症があった」と認められ、17年2月に労災と認定された。

 しかし、会社側が過労死を否定し続けたため、両親は提訴。今年5月に和解し、会社側が解決金約4千万円を支払い、両親に謝罪することが盛り込まれた。

 男性の母親(70)は会見で涙をこらえながら「会社側から、息子の悪口を言われているようでつらかった」と語り、同様の境遇に苦しむ人に「泣き寝入りしないで」と呼びかけた。

 両親の代理人の園田昭人弁護士は「労災制度は早期救済が目的なのに、会社が否定し、社員も口をつぐむと解決に時間がかかる」と指摘。「長時間労働を法律で規制しても過労死は起きる。経営者や社員の意識の変化が求められている」と強調した。

西日本新聞社

最終更新:7/11(木) 12:06
西日本新聞

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