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24時間営業やめた大阪のセブンイレブン、メディアに取り上げられるまでに本部と何があったのか?

7/11(木) 16:15配信

ハフポスト日本版

コンビニエンスストア最大手のセブン―イレブンに、たった1人で「反旗」を翻したオーナーがいる。大阪府東大阪市の松本実敏さん(57)。

人手不足で過酷な勤務状態が続いたため、24時間営業をあきらめて「時短」へと踏み切った。

これに対し、本部側は猛反対、問題は解決されていない。

「私たちは命を脅かされている」。怒りの声を上げる松本さんのもとに、各地のコンビニ経営者から賛同の声が続々と寄せられている。

24時間営業「もう無理や」

近畿大(東大阪市)がある住宅密集地。幹線道路を出入りする車が行き交う狭い道路沿いに、松本さんがオーナーを務める「セブン―イレブン東大阪南上小阪店」がある。

「しばらくの間、営業時間を6時から25時までに短縮させていただきただきます」

そんな文言が書かれた紙が、店の入り口にはられている。

「お客さんは最初こそ『え、何?夜閉まるの?』って言ってましたけど、今は文句を言われることもないですよ。そんな人はもう来なくなっていると思いますし」

松本さんは淡々と話す。

松本さんが24時間営業をやめ、19時間営業(午前6時~翌日の午前1時)に変えたのは2019年2月のこと。原因は人手不足だった。

収入の安定を求め、家業の工務店をたたんで妻とコンビニ経営に乗り出したのは2012年。懸命に働き、オープン時に本部から借り入れた資金も4年で返済した。

だが、2018年にアルバイトの「主力」だった大学生5人が就職のため同時にやめた。その直後、妻もがんで亡くなった。

残されたアルバイトたちは仕事がうまくできず、厳しく指導すると相次いでやめた。昼間にパートタイムで入っていた人たちも時給が上がらないことを理由に次々と店を去った。

「もう回らん。これは無理や」

そう思って本部に営業時間の短縮を相談したが、担当者からは「ダメです。24時間営業がブランドです」の一点張りだった。

寝不足と過労で疲れ果て、精神的にも追い詰められた。神奈川県で一人暮らしをしていた大学生の長男に急きょ戻ってもらった。店の手伝いを頼みつつも、こう打ち明けた。

「夜の営業をやめるしかない。でも店取られるかも」

長男は冷静だった。「父さん、正しいことするんやろ」

「自分が正しければ世の中に広がるだろうし、間違っていれば自分がつぶされるだけ。でも、自分と同じ思いをしている人は必ずいる」

そう確信した松本さんは24時間営業をやめることを決めた。

時短営業に踏み切った当日。本部の担当者が早速店にやってきた。

「あなた、本当に閉めましたね。契約違反になります」。そう言って担当者は「通知書」を松本さんに手渡した。

そこには、24時間営業に戻さなければ契約解除になること、10日以内に返事をすることなどが書かれていた。

1週間後。松本さんは大阪にある店舗を担当する本部側の拠点を訪れた。

「助けてもらえるなら、24時間やります」

松本さんはすがったが、担当者からは「助けることはできません。7日続けて店を閉めたので、契約解除です。違約金1700万円かかります」と突き放された。

だが、メディアが事態を報じると本部側は態度を一変させた。

西日本を統括するという担当者が松本さんを訪問し、「本部から助けを出すので24時間営業に戻してください。違約金も請求しません。時短にしたことによる契約解除もありません」と述べた。

手のひらを返すような本部に不信感を抱いた松本さんは「どのくらいの期間ヘルプしてくれるんですか。うちよりももっとひどい店がある。そこもヘルプしてくれるんですか」と問いただした。

するとその担当者は「ヘルプは1回だけです。1週間のうちに働ける人を探してください。ヘルプを出すのは松本さんのところだけです」と話した。

「それなら24時間はできません」

松本さんはきっぱりと断った。

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最終更新:7/11(木) 20:03
ハフポスト日本版

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