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「海洋プラスチックごみ汚染」と「気候変動」―今回のG20で今後の課題が明らかに

7/12(金) 15:00配信

サイエンスポータル

オピニオン:京都大学名誉教授・地球環境戦略研究機関シニアフェロー 松下和夫(まつしたかずお) 氏

環境問題が重要議題だったG20

 大阪市で20カ国・地域首脳会議(G20)が6月28日・29日の2日間にわたり開催され、環境問題は重要議題であった。G20としては14回目だったが、日本での開催は初めてだ。それに先立って6月15日・16日には、軽井沢で「持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会議」(G20エネルギー・環境担当大臣会合)も国内初開催された。G20では海洋プラスチックごみ汚染や気候変動の対策も重要な議題となった。この2つの会議を通じて今後の課題も明確になった。

 G20は2008のリーマンショックを契機に生じた経済・金融危機に対処するため、日本など先進7カ国(G7)に加えて、中国やブラジル、インドといった新興国も含む国際経済協調のフォーラムとして発足した。

 G20メンバー各国の国内総生産(GDP)を合わせると、世界のGDPの8割以上を占める。そして気候変動の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量も、世界全体の排出量の約8割を占める。このようにG20メンバーは、気候変動問題に関し、責任も能力も備えた国の集まりだ。このため、G20が協力して気候変動などの環境問題の取り組みを強化し、リーダーシップを発揮していくことは、極めて重要になってくる。

 この点で注目されたのが、2015年11月にトルコ・アンタルヤで開かれたG20だった。当時のオバマ米大統領と中国の習近平主席が、2020年以降の地球温暖化対策に関する新しい国際的な枠組みの構築に合意し、首脳宣言で「気候変動枠組条約(UNFCCC)の下で全ての締約国に適用可能な議定書、他の法的文書又は法的効力を有する合意された成果を採択するという我々の決意を確認する」とした。これが、同年12月の気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で、パリ協定採択に向けた国際的気運を高めることにつながった。

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最終更新:7/16(火) 18:50
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