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専門家が見た韓国不正輸出リストの問題点……韓国政府は悪質企業名の公表を

7/12(金) 11:31配信

FNN.jpプライムオンライン

2019年7月10日のフジテレビの報道「韓国から戦略物資の不正輸出 4年で156件 韓国政府資料入手で“実態”判明」を受けて、韓国の産業通商資源省が2日続けて見解を発表した。同省はこの間の摘発について、「我が国の戦略物資輸出管理制度が効果的で透明に運営されているという反証だ」とコメント。傘下の戦略物資管理院が毎年発表する「例年報告書」を通じて、不正輸出の摘発状況について情報公開していると主張した。

【画像】不法輸出摘発リストの日本語版を見る

また、外国の事例としてアメリカと日本を挙げ、アメリカは事例を公開しているのに対し、日本は総摘発件数を公開せず、一部事例にとどまっていると指摘した。日本が輸出管理優遇措置を撤廃した3品目の一つであるフッ化水素については、
1:日本から輸入したフッ化水素が北朝鮮に流出した証拠は発見されていない、
2:摘発リストに含まれたフッ化水素関連事案は、日本産フッ化水素を使用したものではない、としている。

この韓国政府の主張に対して以下の点を指摘しておきたい。

指摘1:韓国政府の「資料公開の透明性」について

まず、各年度の産業通商資源部は傘下戦略物資管理院の「例年報告書」には、以下の情報のみが記載されている。

2015年:摘発件数のみを公開
2016年:摘発件数のみを公開
2017年:摘発件数のみを公開
2018年:摘発件数のみを公開

以上のみである。

韓国政府はこの報告書と、「国会議員の求めに応じて情報提供している」事をもって、「戦略物資無許可輸出摘発および措置現況を毎年透明に公開している」、「これは我が国の戦略物資輸出管理制度が効果的で透明に運営されているという反証である」と述べている。
この点について以下の点を指摘しておきたい。

★大量破壊兵器関連事件の情報の重要性

まず、「例年報告書」では、あらゆる兵器転用可能な「戦略物資」に関連した全ての事件の摘発件数の総数のみが公表されているだけである。筆者が指摘した通り、この中にどれほどの「大量破壊兵器関連の規制品をめぐる輸出規制違反事件」が含まれているのか、何ら記載されていない。重要な統計データが欠如しており、透明性に欠けている。

様々な輸出管理の課題の中でも、とりわけ大量破壊兵器(WMD)の拡散阻止は中心的課題であり、国際社会にとって最重要課題の一つである。ゆえに、なかでもWMDに転用可能な物資・技術に対する厳格な輸出規制の運用は、「ホワイト国」として認められるためには必須の条件である。

この点について、韓国の国会議員が入手していた情報によってはじめて、韓国国内で下記の通り多数のWMD関連不正輸出事件が摘発されていた実態が明るみに出た次第である。

2015年から2019年3月の間に韓国国内で摘発された事件・計156件の内訳

NSG (核兵器製造・開発・使用に利用可能な物品を統制する多者間国際体制) → 29件
AG (生化学武器製造・開発・使用に利用可能な物品を統制する多者間国際体制) → 70件
MTCR (ミサイル製造・開発・使用に利用可能な物品を統制する多者間国際体制) → 2件
CWC(化学兵器禁止条約)→1件
WA (通常兵器製造・開発・使用に利用可能な物品を統制する多者間国際体制) →53件

156件のうち、実に102件もがWMD関連事件であった。しかも、摘発された事件の概要を見ると、懸念されうる不正輸出事案が多数見受けられる。いくつかの事例を以下に列挙する。

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最終更新:7/12(金) 21:21
FNN.jpプライムオンライン

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