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新幹線の“電池走行”、技術はどこまで進化したか

7/12(金) 8:16配信

ニュースイッチ

N700Sに搭載に試験走行、まず時速30kmで

 JR東海は2020年7月に投入を予定する新型の新幹線車両「N700S」で採用する機能の一つ、バッテリー自走システムによる走行試験を実施した。電池を動力源とできる高速鉄道車両の実用化は世界初。リチウムイオン二次電池の性能向上を背景に、鉄道でも二次電池搭載車両が増えている。新幹線や大都市圏での災害時の安全確保に加えて、地方ではメンテナンスの軽減を狙いに、二次電池駆動車の営業走行も広がっている。

 JR東海はN700Sの走行試験を静岡県の三島車両所で、実際の使用環境を模して時速30キロメートルで実施。新幹線鉄道事業本部車両部の田中英允担当部長は「(電池搭載で)東海道新幹線の異常時対応力を強化できる」とアピール。

 二次電池を標準搭載するN700Sでは、災害で長時間停電した際、トンネルや橋りょうの中間部に停車したとしても、架線からの電力を使わず、自力で安全な場所まで移動できるのが特徴だ。

 N700Sでは駆動システムへの炭化ケイ素(SiC)パワー半導体適用や機器の信頼性向上による床下機器の小型化・軽量化でスペースを捻出。そこに東芝の二次電池「SCiB」を搭載した。容量などは非公表だ。

 非常走行用に二次電池を搭載する車両は、東京メトロ・丸ノ内線の新型車両「2000系」や、JR東日本が横須賀線に投入する予定の「E235系」などに広がりつつある。

 非常用走行用に備える二次電池だが、回送や工場内の移動などにも活用できそうだ。本線以外を“架線レス”にできれば、設備の軽減や作業時の安全確保の効果が見込める。

 すでに地方では老朽気動車の置き換えや沿線環境への配慮、設備維持の軽減などを狙いに、非電化区間で二次電池電車の営業運転が拡大している。

 JR東は14年から栃木県の烏山線で直流二次電池電車「ACCUM(アキュム)」を運用。電化区間はパンタグラフを上げて充電しながら走行。非電化区間では回生電力も取り入れながら二次電池の電力で走行し、終端駅では停車中にパンタグラフを上げて、剛体架線から充電する。

 JR九州も16年、福岡県の筑豊線に交流二次電池電車「DENCHA(デンチャ)」を投入した。増備を進めて運用路線を広げている。

最終更新:7/12(金) 8:16
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