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働き方改革は誰のため? 隠れ残業、収入減…「むしろ仕事がやりにくくなった」の声も

7/12(金) 10:31配信

西日本新聞

【参院選あなたの声から】

 「働き方改革って、誰のためにあるんでしょうか」

 大手ITサービス企業で営業として勤務する北部九州の男性会社員(50)から、こんな声が届いた。男性が勤める会社は「働き方改革」で、時間外労働を月40時間以内に制限するようになった。男性は「むしろ仕事がやりにくくなった」とこぼす。

 以前は月60時間前後、繁忙期は100時間近く残業することもあった。最近は月39時間程度に調整し、仕事を残して帰る。どうしても必要なときは自宅にメールで資料を送り、「隠れ残業」をすることも。

 残業代が減り、この3年ほど年収は20万~30万円ずつ減少した。男性は単身赴任中。二重に生活費がかかる上、自宅のローン返済もある。「昨年は自宅に帰ったのは4回だけ。家計は毎月赤字だし、交通費ももったいなくて」とため息をつく。

 会社から増員や仕事内容の見直しなどの負担軽減策は示されず、限られた時間で従来の業務をこなすのはハードルが高い。時間内にメールでの依頼にも対応するため、顧客の新規開拓もままならない。

 「法令順守は大切だが、働く意思があるのに抑制されるとやる気がそがれる」

働き方改革の最大の柱は

 安倍晋三首相の「経済再生に向けた最大のチャレンジ」との号令の下、4月に施行された「働き方改革関連法」。最大の柱は時間外労働を原則月45時間、年360時間に制限する罰則付き上限規制だ。

 NTTデータ経営研究所とNTTコムリサーチが5月に実施した共同調査「働き方改革2019」で、働き方改革に取り組む企業の「プラスの変化」を聞いたところ、「労働時間が減少している」は30・3%、「生産性が向上している」は11・0%で、いずれも前年調査より減少した。一方で「プラスの変化はない」との回答は29・6%と前年より増えた。

 同研究所の坂本太郎マネジャーは「本来は生産性を上げて労働時間の短縮などにつなげるのが働き方改革の目的だが、現状は好循環に至っていないのではないか」とみる。

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最終更新:7/12(金) 10:31
西日本新聞

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