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<かんぽ不正販売>取材続けた記者の思い 巨大組織を動かした「告発」 きっかけは一通のメール

7/12(金) 17:11配信

西日本新聞

 きっかけは昨年8月、郵便局員から本紙の「あなたの特命取材班」に届いた一通のメールだった。暑中・残暑見舞い用はがき「かもめ~る」の販売ノルマに苦しみ、自腹で購入する局員がいると訴えていた。

【写真】「あと2件アポ取れるまでは社員にも負荷を」郵便局幹部に上司から送られたメール

 こうした現場の実態を報じると、せきを切ったように現役局員からの告発が相次いだ。そのうちの1人が打ち明けた。「保険のノルマが最もきつい。一部の局員は、高齢者をだまして売っている」

 関係者から入手した内部資料には、保険内容を理解できない認知症の高齢者に法外な保険契約を結ばせる“犯罪まがい”の事例が列挙されていた。最初は半信半疑だった。

過剰なノルマに苦しみ、心を病んだ多くの局員

 郵便局は高齢者にとって身近で信頼されてきた存在のはずだ。その信頼を逆手に取るような保険営業。取材を重ねると、民営化後、社員約40万人、約2万4千局の郵便局ネットワークを維持するため、保険などの金融事業に依存する日本郵政グループのいびつな構造が浮かび上がってきた。

 過剰なノルマに苦しみ、心を病んだ多くの局員。自殺した局員もいるとの情報提供もあった。メイン商品の貯蓄型保険は低金利時代に入って魅力が薄れており、ある局員は「竹やりで他社と勝負しているような状況なのに、根性論で売ってこいと指示される。無謀なインパール作戦のようだ」と表現した。

 本紙は今年3月以降、不正販売の実態を繰り返し報じてきたが、かんぽ生命は高をくくったような対応を取り続けた。顧客に不利益となる乗り換え契約の実態が明らかになっても日本郵政の社長は「法令違反があったとは考えていない」と強弁した。

「お客さまのために力を貸してください」

 そんな中、関係者から寄せられたのが、保険料の二重払い問題だった。かんぽ生命と日本郵便はこの事実を把握し、数年前から件数を集計していたが、公表していなかった。この関係者は「私たちは立ち直れないかもしれない。しかし恥ずかしいことながら外部の力でしか現状を変えられない。お客さまのために力を貸してください」と葛藤する胸の内を明かした。

 顧客に寄り添い、信頼を取り戻したいと頑張る局員たちがいる。こうした人たちが報われるような組織に変わってほしい。これからも取材を続けていきたい。(宮崎拓朗)

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西日本新聞社

最終更新:7/12(金) 21:20
西日本新聞

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