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【令和のあした】子どもの命どう守る? 地域に合った虐待対策を 通学路の安全確保も急務

7/12(金) 10:44配信

千葉日報オンライン

 子どもが犠牲になる事件や事故が、千葉県内でも後を絶たない。野田市では今年1月に小4女児の虐待死が発覚。4月には登校中の児童が巻き込まれる事故が木更津市で起きた。小さな命をどう守っていけばいいか。

 木更津の事故では登校中に横断歩道を渡っていた小学3年の女児2人が軽乗用車にはねられ、1人が死亡した。通学路などの交通安全対策は急務だ。政府は未就学児用のスクールゾーンとして「キッズゾーン」の創設を検討している。

 だが、県民からは厳しい見方も出ている。孫が事故に遭ったという60代男性は「交通ルールを守っていて被害に遭うこともある。事故は一向になくならない。国は真剣に対策を考えているのか」と語気を強める。

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 児童虐待に関するニュースを新聞やテレビで目にしない日はない。国の再発防止策に物足りなさを感じているのは、いすみ市にある乳児院で施設長を務める森田雄司さん(66)。

 6月に成立した改正児童虐待防止法と改正児童福祉法は、児童相談所職員の担当業務を分け、一時保護など介入機能の強化を盛り込んだ。

 長年、虐待を受けた子どもを児童養護施設などで保護してきた森田さんは「虐待を防ぐには地域特有の事情に合った対策が必要。国はそれを後押しする政策を用意すべき」と全国共通の対応では不十分と訴える。

 県によると、県内児相への虐待相談は2017年度、6811件に上り、7年前から倍以上に。職員の増強も進むが、「現場の人員が足りない」(児相嘱託弁護士)のは明らかだ。

 野田の小4女児虐待死では、児相などの対応の不備が浮き彫りになった。柏市が児相の新設を検討するなど新たな動きがあるが、森田さんも「複数の地域にまたがる児相に頼るのは限界がある。市町村単位での設置を考える段階にきている」と指摘する。

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 保育所の待機児童問題もいまだ深刻だ。県の集計では、昨年4月時点の県内待機児童は前年同期比395人減の1392人だったものの、4年前と比べると140人以上増えている。

 待機児童が県内で最も多い市川市で2歳の長男を育てる不破牧子さん(37)は、保育園の抽選に漏れた経験から自ら認可外保育園を設立した。

 不破さんは「認可外でも待機児童解消に貢献している面がある」との自負がある一方で「(認可外には)自治体からの補助金がなく、保育料が高い」と親の負担の偏りを問題視する。

 「待機児童ゼロ」「幼児教育無償化」など政府が掲げる看板には疑問の声も。県保育協議会会長の圓藤弘典さん(59)は保育の質の部分がないがしろにされないか懸念している。

 「保育士の処遇を改善し、教育の質を確保するのが急務」と注文し、「子育ての知識がないまま親になる人も少なくない。発育や虐待の問題を減らすためにも切れ目なく親を支えられる保育が不可欠」と強調した。

最終更新:7/12(金) 10:44
千葉日報オンライン

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