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パウエルFRB議長、世界全体の中銀の役割担うか-リスク増大で

7/12(金) 15:11配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が今週の議会証言で行った発言は、同議長が米国だけでなく、世界全体の中央銀行のトップの役割を担いつつあるかのうような印象を与える内容だった。

パウエル議長は半年に一度の公聴会で、世界経済の成長鈍化が米金融緩和の論拠となるとの認識を重ねて表明した。

「特に製造業や投資、貿易を巡り、世界の成長に何かが進行中だ」と、パウエル議長は10日の下院金融委員会で指摘。今月末の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを約束したも同然と受け止められた。

パウエル議長は単に利他的に振る舞っているわけではない。議長自身が認めたように、世界的な景気鈍化と通商摩擦の拡大は米国経済の見通しにも影を落とすからだ。

他の主要中銀が金融緩和の弾薬に乏しい現状にあって、米経済の重しとならぬよう、世界経済を支える重責を米金融当局がますます多く引き受けねばならなくなっているのはほぼ間違いない。

ミシェル・マイヤー氏らバンク・オブ・アメリカ(BofA)のエコノミストは10日のリポートに、「世界各国・地域の中銀の間では利用可能な手段が限られており、金融緩和によって世界の成長と金融環境を支えるよう、米当局がスポットライトを浴びている」と記した。

パウエル議長はある意味、トランプ大統領の通商政策が世界経済に引き起こしたダメージを和らげようとしているのにすぎない。トランプ政権が関税賦課を脅したり、実際に発動したりすることで多国籍企業は設備投資計画を延期し、世界の成長率を押し下げている。

米金融当局が国外の変化に対応して政策スタンスをシフトさせたのは今回が初めてではない。中国の人民元急落が国際金融市場を揺るがせた2016年には、想定していた利上げの回数を切り詰めたほか、ロシアのデフォルト(債務不履行)が世界経済にダメージを及ぼした1998年の場合は、矢継ぎ早に3回の利下げを実施した。

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最終更新:7/12(金) 15:11
Bloomberg

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