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“空手ギャル一代”組手女子68キロ超級・植草歩 五輪初代「金」人生かけてます

7/13(土) 11:00配信

東スポWeb

【「令和」に刻む東京五輪 気になる人をインタビュー】2020年東京五輪で「気になる人」にスポットを当てた連載「『令和』に刻む東京五輪」の第6回は、追加競技として採用された空手界のヒロインが登場だ。組手女子68キロ超級の植草歩(26=JAL)は全日本選手権4連覇中で、世界でもトップを争う金メダル候補。一度は引退を考えながらも、五輪競技入りで現役続行を決意した絶対女王が描く“夢”とは? 3年ぶりの本紙インタビューで思いを語った。

 ――東京五輪がいよいよ来年に迫った。自身の集大成になりそうか

 植草:集大成かは分からない。東京五輪で優勝することが今の一番の目標だし、空手界を盛り上げている一番の大きなイベントだと思う。これだけ注目してもらっているので、私が優勝してこそ、さらに盛り上げるきっかけになるんじゃないかと。絶対に勝ちたい大会です。

 ――五輪採用前は引退を考えていたとか

 植草:もともと教員志望だったので、大学4年で引退して教師になるか、続けるならきちんとしたところでやりたいという気持ちがありました。

 ――それが一転して現役を続けることに

 植草:大学3年のときに東京五輪で空手が入るかもしれないという話が出て、それから記者会見があって本当は続ける予定がなかったので、自分の中では「子供たちに道をつくってあげたい」と言おうと思っていたら(全日本空手道)連盟の方が来られて「植草さんはあの夢の舞台で活躍したいと言ってください」と言われ…。それが記事になって、続けざるを得なくなった(笑い)。でも、そうやってレールを敷いてもらったからこそ、今の自分があると思っています。

 ――“広告塔”ならではのプレッシャーもあった

 植草:社会人になってからテレビやメディアの注目が増えて空手界のマスコットみたいな感じだったけど、まだ世界選手権はもちろん全日本選手権も優勝していなかった。でも、このままマスコットやキャラクターで終わりたくなかったし「テレビに注目されているから植草は練習ができていなくて弱くなったんだ」とか絶対に言われたくなかったんです。

 ――2015年の全日本選手権で初優勝

 植草:あれから自分はすべてが変わった。当時、ドキュメンタリー番組がついていて、絶対に注目を力に変えてやると思って臨んだ。トレーニングやいろんな部分を改善している途中だったので、すべてが自信につながったし、注目されながらも「私は優勝できる選手」と思えたことが(16年の)世界選手権優勝につながったと思う。

 ――一方で24年パリ五輪では、空手が五輪競技から除外される方針と報じられた

 植草:すごく悲しいこと。東京に入るために多くの先生方やいろんな方が動いてくれたので残念です。でも、まだみんなが空手の魅力を知らないので、知ってもらえたらまた入るのでは、という期待もしている。もしフランス(パリ五輪)に空手が入るならきちんと続けて、そこでメダルが取れるように努力したいです。

 ――引退後のビジョン

 植草:まだ、ない。東京五輪で金メダルを取って自分が手にしたときに何を感じるか。「あぁ、やりきった」なのか「またもう一度この舞台を見たい、このメダルを見たい」と思うのか。それでその時に決断しようと思う。

 ――再び教員を目指そうと考えたことは

 植草:ないですよ。教員免許は中学、高校と持っていますけど、ちょっと…。空手をやっている子は芯が通っているけど、自分みたいな中学生、高校生を相手に指導はできない。実は中・高校生のころ「ギャル」になりたくて辞めたいとか考えたこともあるんです。今となってはオシャレも化粧もできるし、髪も染められて別に辞めなくても、ギャル路線ですけどね(笑い)。ただ、空手の指導には携わりたい。“NEW”な今までとはちょっと違う形で。空手は武道気質が強いので、フィジカル面、栄養面を重視して日本一、世界一のチームをつくってみたいです。

 ――その前にまずは五輪で初代女王を目指す

 植草:東京五輪で優勝することは私にとって宿命だと思っているので、ここで優勝しなければいけない存在というのは自分で分かっている。そのためにも自分の人生をかけて臨みます。

【空手の五輪代表選考方法】組手は男子が67キロ級、75キロ級、75キロ超級、女子が55キロ級、61キロ級、61キロ超級、これに男女形を合わせて8種目が実施される。いずれの種目も出場枠は10人で各国1人。選考の流れは来年4月6日時点の五輪選考用ランキング上位4人が選出され、同年5月にフランスで行われる予選大会の上位3人が出場権を手にできる。この段階で日本選手が不在の場合は、世界ランク50位以上で最上位の日本選手に開催国枠が与えられるため、全種目に登場する可能性が高い。

☆うえくさ・あゆみ 1992年7月25日生まれ。千葉・八街市出身。小学3年で空手を始め、2015年の全日本選手権初優勝から現在4連覇中。16年に世界選手権を初制覇した。また、17年からプレミアリーグ年間王者を2年連続で達成。“空手界のきゃりーぱみゅぱみゅ”の愛称で親しまれている。得意技は中段突きで新たに上段蹴りを特訓中。168センチ、68キロ。

最終更新:7/14(日) 19:02
東スポWeb

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