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重さ2kgの“世界一危険な“ジーンズ 悪戦苦闘の誕生秘話と工程の凄まじさ

7/13(土) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 前回は“世界一危険なジーンズ”を買った男性の話を紹介した。

 今回はその常識外の「2kg JEANS」を製造・販売している当事者に話を聞いた。千葉県市川市にお店を構える「Gパンセンター・サカイ」だ。取材に応じてくれたのは酒井隆太さん。創業者のご子息だ。隆太さんのお兄さんも、同店で働いているという“Gパン一家”である。

■とにかくはきにくいGパンを

 記者がお店に訪れると、バックヤードに案内された。「そういえば、2kg JEANSより重いオンスのジーンズがあるという噂を聞いたのですが」と話しかけると、「ちょっと待ってください」と隆太さんは奥から白い“ジーンズ”をもってきてくれた。

(※本文中、文章のニュアンスからジーンズとGパンが混在していますが、同義語です)

 ――これは染める前のジーンズなんですか?

「いえ、これは帆布でつくった試作品です。2号帆布といって2.5kgあります。学校で体育の授業のときに使われるマットがありますよね。あれに使われている頑丈な布です。この布が縫えるならば『2kg JEANS』も縫えるだろうと。この帆布は『2kg JEANS』より硬くて厚いやつなんです。ですので、お店で売っているデニムとしては『2kg JEANS』が一番オンスがあります」

 オンスは生地の重さで、通常売られている硬めのジーンズはせいぜい14オンス。2kg JEANSはその倍の28オンスもある。2kg JEANSより分厚い帆布のジーンズに触ると、確かに学校にあったマットのゴワゴワとした質感だ。そのマットの上で子どもたちが何年も暴れようが、シレっと耐え続けるアレだ。この帆布はベルトコンベアのベルトでも使われている素材でもあるそうだ。

「もう、2kg JEANSを作るのは悪戦苦闘の連続でした。ミシンも2台特注で作ったんですよ。ゴルフバッグや帆布のバッグを縫うための上下送りのミシンがあるんですけど、やはりそのミシンでもそのままでは縫えないので、そのミシンを大改造して2kg JEANSを作っています。改造費は200万円もかかりました」

 ――こちらのお店ではなく外部の工場で製造しているのですか。

「東北の縫製工場でお願いしています。工場には何度も打ち合わせに通いましたけど、本当にまた来たのかと先方からは渋い顔をされ続けましたね。生産に使用しているミシンは、機械でダダダって縫うカ所だけではなく、手で回し送らなければいけない部分があるため、その改造ミシンじゃないと縫えないんです」

 ――ここまでやれば、おいそれとは真似できないでしょうね。そもそもなぜこのような重くて分厚いジーンズをつくろうと考えたのですか。

「誰もはいたことのないジーンズ、はけないジーンズというか、話題性というか。とにかく変わったことをしたかったんです。通常のジーンズと真逆のことです。2010年から販売をしているのですが、当時はユニクロの1900円のジーンズが広がっていくなかで、最強にはきづらくてインパクトのあるジーンズを、という発想で作りました」

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最終更新:7/13(土) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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